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若い世代は知らない? 初期ガンプラブームで続出していた「隠れたトラブル」とは

今では模型コーナーにどこでもある「ガンプラ」の数々。しかし、発売当初には初めて故の問題もいくつかありました。当時、実際にあったいくつかの問題を振り返ってみましょう。

初期ガンプラを支えた客層は「小学生」だった

現在発売されている1/144スケールのガンプラの一例、「HGUC 191 機動戦士ガンダム RX-78-2ガンダム 1/144スケール 色分け済みプラモデル(BANDAI SPIRITS)
現在発売されている1/144スケールのガンプラの一例、「HGUC 191 機動戦士ガンダム RX-78-2ガンダム 1/144スケール 色分け済みプラモデル(BANDAI SPIRITS)

『機動戦士ガンダム』シリーズのプラスチックモデル、いわゆる「ガンプラ」は、どこの模型コーナーでも広い売り場面積を誇る人気商品です。しかし現在のユーザーのなかには、発売当初にあったさまざまな苦労話を知らない人も多いかもしれません。

 もともと「ガンプラ」は『ガンダム』本放送終了後に展開しました。それは発売元である「バンダイ(現在はBANDAI SPIRITS)」が模型販売の権利を取得したのが、TV放送の打ち切り直前だったからです。

 この事情から、バンダイは放送終了後にプラモデルを展開することになりました。本来ならTV放送が終了した作品の商品化はまずあり得ません。しかし、『ガンダム』の人気は沈静化するどころか、より大きなものへとなっていきました。各アニメ雑誌では放送終了後にも関わらず、毎月特集が組まれたほどです。

 こういったファンの熱意がブームに結び付き、やがては劇場映画化へとなっていくのでした。それゆえにバンダイは異例の放送終了作品のプラモ化を行うわけです。そして、放送終了から半年後となる1980年7月に、ガンプラ第一号となる「1/144 ガンダム」が発売されました。

 最初はそれほど大きな売り上げではありませんでしたが、TVでの再放送で新たな層が「ガンダム」に興味を持つようになったことがきっかけで、後の爆発的な大ヒットへと結びつきます。それは小学生を中心とした層でした。この小学生層が第一次ガンプラブームの立役者となります。

 もともと『ガンダム』についていたファン層は中学生から大学生のアニメファン層がほとんどでした。この学生層がアニメ雑誌を盛り上げて、ガンダムブームを後押ししたわけです。TVでの再放送もこういった層からの要望に応えたものでした。

 しかし、もともと『ガンダム』は外連味(けれんみ)のあるロボットアニメです。重厚なストーリーの内容までは理解できなかったかもしれない小学生でも、所狭しと活躍するガンダムとMS(モビルスーツ)のカッコいい戦闘シーンには大興奮できたわけです。

 こうしてファン層を広げた『ガンダム』の劇場版は大ヒットとなりました。またラインナップを着実に増やしたガンプラは、すでにそれ以前、販売開始した年の年末オモチャ商戦あたりをきっかけに、だんだんと品薄となっていきました。

 そして、「抱き合わせ商法」や店舗に殺到した子供が怪我をするなどといったトラブルが報道されるようになり、メーカーが増産をしないことを批判する意見も飛び出します。ところが工場は24時間フル稼働されており、実のところ、想定以上どころか限界に近い生産体制でした。

 こういった逸話はよく語られており、当時は生まれていなかった世代でも知っている人は多いことでしょう。そこで今回は、それ以外の筆者の体験談から、当時のお話をいくつかご紹介いたします。

【画像】「えっ…?」これが現在の初心者向け「ガンプラ」のクオリティです(5枚)

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