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僕もヒーローになれる! 子供の夢を叶えた「子供が変身する」特撮ヒーロー番組3選

低年齢層が主要ターゲットのはずの特撮ヒーロー番組ながら、変身する主人公たちはおおむね青年以上です。過去には、子供が主人公や変身ヒーローチームの一員を務めるものもありました。そうした3作品を見ていきます。

小学5年生のふたりが友情パワーで変身!

『超人バロム・1 VOL.1』(東映ビデオ) (C)さいとうプロ・東映
『超人バロム・1 VOL.1』(東映ビデオ) (C)さいとうプロ・東映

 特撮ヒーロー番組の視聴者は子供が中心であるものの、変身する主人公はおおむね青年以上の大人である、といえる昨今でしょう。過去には子供がヒーローに変身する作品も制作されてきました。

 1972年に放送された『超人バロム・1』は、そうした「子供が変身する」数少ない特撮ヒーロー番組のひとつで、『仮面ライダー』と同じ東映の平山亨プロデューサーが手がけています。原作は『ゴルゴ13』でおなじみ、さいとう・たかを先生のマンガ作品です。小学校5年生の優等生「白鳥健太郎」と、そのクラスメイトで豪腕の「番長」こと「木戸猛」が、右腕をクロスさせ(バロムクロス)「バロム・1」に変身します。

 地球を悪に染めるべく暗躍する悪の化身「ドルゲ」は、悪のエージェント「ドルゲ魔人」を次々と送り込んできます。健太郎と猛は、その最初のドルゲ魔人「オコゼルゲ」の襲撃で窮地に陥るものの、そこへ現れた善の化身「コプー」により「善の力」を授けられ、そして正義のエージェント「バロム・1」に変身する能力を獲得しました。

「バロム・1」のパワーの源は友情で、ふたりが対立していると変身できなかったり、力が発揮できなかったりします。ときに喧嘩をし、ときに協力しながら試行錯誤して「バロム・1」の能力をひとつずつ学んでいくふたりの少年の友情と成長は、物語の主軸のひとつです。

 くしくも同時期に放送された『ウルトラマンA』とは、「ふたりでひとりに変身する」という設定が被りました。『ウルトラマンA』は、青年男女ふたりが変身するというもので、こちらは物語半ばで解消され男性主人公ひとりで変身するようになりましたが、『超人バロム・1』は最終回まで「友情変身」を通しました。

 その『ウルトラマンA』が1年間、全52話放送されたのに対し、『超人バロム・1』は全35話、9か月で終了しました。比較的短期だった理由は、視聴率での苦戦などさまざまあるようですが、劇中の悪役と同姓の外国人家族から名前の使用でクレームが入り、これが報道され騒ぎとなったことも要因のひとつと見られています。

 子供受けは良かったというこの番組、騒動さえなければ、子供が変身するシリーズができていたかもしれません。

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