【漫画】ゴミ屋敷に住むおばあちゃんを訪ねた少年 物を捨てられない理由に「考えさせられた」
自由研究でさまざまな家を訪れている小学3年生の家村道生くん。今回訪ねたのは、近所でゴミ屋敷として有名なお宅です。家主のおばあちゃんと仲良くなり、家のなかに入ると、やはり物があふれかえっていました。自由研究の取材を続けていると、おばあちゃんの娘と役所の人が様子をみにきて……。作者の佐久間薫さんにお話を聞きました。
頑固なおばあちゃんの「ゴミ屋敷」に、少年は興味津々

自由研究のために、さまざまな家を取材している小学3年生の家村道生くん。この日は、近所でゴミ屋敷として有名なお宅を訪れました。おばあちゃんの家のなかは物だらけで、使い方さえ分からないものであふれています。取材を続けていると、おばあちゃんの娘と役所の男性が訪れました。
「いらない物は捨てよう」と説得しにきたふたりでしたが、おばあちゃんはまったく聞く耳を持ちません。困り果てるふたりをよそに、道生くんはおばあちゃんが集めたいくつかの物に興味津々です。するとおばあちゃんがいつもとは違うことを言いだして……。
佐久間薫さん(@sasakumako)が「ゴミ屋敷を訪ねて家の中を見せてもらう少年の話」として掲載した『お家、見せてもらっていいですか?』(KADOKAWA)が話題です。いいね数は3.6万を超えており、読者からは「言葉ひとつ・言い方ひとつで、態度が軟化するものなんだなと思いました」「捨てられるのは嫌だけど誰かに渡るのならいいのはなんか分かるなー」「道生くんのおかげで、物の価値とか改めて教えられました」などの声があがっています。
佐久間薫さんは書店員として働く傍らで、漫画家として活動しています。今作以外にも街の本屋さんを舞台にしたマンガ『本屋の堀ちゃん』全2巻(双葉社)など、多くの書籍が発売中です。
作者の佐久間薫さんにお話を聞きました。
ーー今作『ゴミ屋敷を訪ねて家の中を見せてもらう少年の話』が生まれたきっかけや、理由を教えて下さい。
街を歩いていたら、ゴミ屋敷をときどき目にしますよね。家のなかはどうなっているんだろうとか、なぜ集めてしまうのだろうとか……きっとみなさんも気になるだろうな、と思い描きました。
ーー今作では、家大好き小学生・道生くんと、ゴミ屋敷に住むおばあちゃんとの交流が描かれています。描くうえでこだわったポイントや、お気に入りのシーンなどはありますか?
こだわったポイントは、道生がおばあちゃんに対して失礼がないように気を付けたことです。タイトルは「ゴミ屋敷」ですが道生の自由研究のまとめでは「物がたくさんのお家」となっています。「ゴミ」ととらえてないからこそ、おばあちゃんは道生に心を開いたんですね。
お気に入りのシーンはやっぱりおばあちゃんが変化する場面ですね。顔つきも心なしか穏やかになって……見どころです!

ーーとても心温まるお話で、たくさんの感想が寄せられています。特にうれしかった感想の声、印象に残った読者のコメントはありましたか?
「おばあちゃんの気持ちに寄り添ってくれてよかった」や「言い方ひとつで相手の態度も変わるよなあ」といった感想ですかね。私が思っていた以上にみなさん深いところまで読んでくださって……頑張って描いた甲斐があったなと思いました!
ーー今作が収録された『お家、見せてもらっていいですか?』(KADOKAWA)が2023年12月21日に発売されました。あらすじや、見どころを教えて下さい。
団地住まいの小学3年の道生が、街の気になる家を訪ねてお家のなかを見せてもらうというお話です。自由研究なのですが、いつか一軒家に住みたいという夢を持っています。
建物の造形や間取りが楽しめるのはもちろん、各住人の人間ドラマや、さらには道生の成長物語にもなっており読み応えたっぷりの内容です。毎回登場するおやつシーンも密かに人気です。
ーー道生くんは自由研究と称して、いろいろなお家を訪ねます。佐久間さんの小学生時代、印象に残っている自由研究のエピソードがあれば教えて下さい。
私は図画工作が得意で、せっけんでスヌーピーを彫ったのですが(今でいうソープカービング的な?)友だちに陰で姉に作ってもらったんじゃないかといわれました。疑われるほど上手にできたということだから……と、なんとかいい方に受け止めるようにしたのを覚えています(笑)。
ーー2024年はどのような創作活動をする1年にしたいですか?
そうですね、2023年がこのマンガを描くのに大変苦労した年だったので、2024年はのんびり絵でも描いてゆっくりしたいですね。
●佐久間薫さん 過去のインタビュー
(マグミクス編集部)