「被災者にゲームは不必要」ではない…災害を通して見直すNintendo Switchの強み
今年起きた能登半島地震をはじめ、規模の大きな災害が国内外で続いています。無事に避難できても、それからの生活は一変せざるを得ません。変化した日常のなかで増えていくストレスを、ゲームで解消するのも大事な生存戦略と言えるでしょう。
避難生活中でも使いやすい、スイッチの利便性
1月1日に起きた能登半島地震による影響は未だ深く、多くの人が被災し、避難生活を強いられています。こうした人々を支えるべく、個々人は主に寄付を通して、さまざまな企業は物資や寄付などで支援し、サポートを行う様子が日々報じられている状況です。
こうした支援活動に、先日任天堂も名を連ねました。1月16日、任天堂の公式Xアカウントにて、日本赤十字社を通じて義援金5000万円を寄付したと報告するとともに、「能登半島地震に伴う災害救助法適用地域の皆様から依頼される当社製品の修理につきまして、各地域の災害救助法の適用から6か月の間、無償で対応を行います」と発信し、SNSなどで賞賛を集めています。
すでに部品がなくて修理受付が終了しているものは除きますが、現行機のNintendo Switch(以下、スイッチ)はもちろんのこと、Newニンテンドー3Dシリーズやニンテンドー2DSなどが今回の修理対象に含まれており、災害救助法の適用から6か月(7月1日まで)までに任天堂サービスセンターに到着したものは、保証書の有無を問わず無償で修理するとのことです。
●「被災者にゲームは不必要」ではない
「ゲーム機の修理」は、被災した人々にとって最優先の重要事項ではないでしょう。衣食住に防寒対策など、命や生活に直結するものから確保・支援するべきです。
ですが、災害の影響は1日や2日では終わりません。避難所での生活がある程度続きますし、住居が倒壊している場合は、仮設住宅などに年単位で過ごすこともあり得ます。災害自体は非日常でも、被災者はその影響を受けて変化した日常を送ることになります。
災害の影響を受けつつ過ごす日常は、ストレスとの戦いです。大人も無論ですが、多感な子供たちにも大きな負荷がかかります。そうした日々のなかでは、固まりがちな心を解きほぐし、ストレスを軽減させることも重要な課題となります。
リラックスの方法は人それぞれですが、ゲームもその一助になると注目されています。ゲームはほかの娯楽と比べて没入感が高く、集中しやすい遊びです。気分転換や適度な意識の切り替えにうってつけですし、気軽にアクセスできるのも利点です。
子供がストレスに耐える姿よりも、ゲームを楽しんでいる姿の方がいいのは明らかです。そんな子供たちの日常を、無償修理で支える任天堂の方針は、被災者を支援する一企業として正しい選択と言えるでしょう。
●「TVがなくとも楽しめる」という利便性は、スイッチならでは
今回の無償修理の提案は、スイッチが対象に含まれており、これが特に大きな意味を持っています。というのも、被災という特殊な状況下において、スイッチは他のゲーム機と比べて勝っている点がいくつもあるためです。
その最も大きな特徴といえば、モニターが一体型という点でしょう。どのバリエーションのスイッチにも、それぞれモニターが標準で備わっており、機器単体のみで遊べます。PS5やXbox Seriesは、処理性能ではスイッチを凌駕するものの、別途TVやモニターが必要不可欠です。しかし、スイッチはスマホと同様、機器単体で成立する高い利便性を備えています。
また、PS5などの一般的なゲーム機で遊ぶ場合、常時電力を供給しなければならず、ゲーム機本体とTVでふたつのコンセントを占有してしまいます。しかしスイッチの場合、電力が不可欠なのは充電時のみ。バッテリーを備えているので、スマホと同じ感覚で使用可能です。
電力が十分に供給されている場合の避難所生活でも、コンセントは他の人と共有で使うことがあります。そのスペースでゲームを遊ぶのは、状況的に難しいケースも多いでしょう。しかしスイッチなら、スマホと同じように充電でき、場所を選ばずどこでも遊べるので、他のゲーム機と比べて手軽さが格段に違います。