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どうやって「R指定」逃れたの? 一応は全年齢向けのトラウマ級「実写映画」たち

グロテスクな展開も多いマンガの実写化作品は、ギョッとするような描写がそのまま再現されていることも少なくありません。そのような作品は、意外にも映画倫理機構(映倫)によるレイティングが小学生も保護者が同伴することで鑑賞できる「PG12」の指定で済んでいることもありました。

かなりエグい描写あるのにR指定じゃない?

全年齢が見られる映画『ミュージアム』ポスタービジュアル (C)巴亮介/講談社 (C)2016映画「ミュージアム」製作委員会
全年齢が見られる映画『ミュージアム』ポスタービジュアル (C)巴亮介/講談社 (C)2016映画「ミュージアム」製作委員会

 人気マンガの実写化作品は毎年多数制作されており、発表のたびに原作ファンからは懐疑的な反応も示されています。キャストや脚本など、気になる点はさまざまですが、そのなかには「原作のグロ描写が生ぬるかったら萎える」「その描写もあっての世界観を壊してほしくない」と、作中の過激な表現の再現を懸念する声も少なくありません。

 実写化作品のなかには、技術の限界やコンプライアンスの問題を踏まえつつも、作品の雰囲気を損なわないよう全力でグロ表現を再現しているものもありますが、そこで気になるのが映画倫理機構(映倫)によるレイティングです。

 流血や殺傷、肉体の損壊描写によってレイティングはより厳しいものとなりますが、意外にも保護者の助言・指導があれば観られるPG12のほか、そのPG12すらつかずに全年齢が観られる作品になることも珍しくありません。そんな「R指定じゃなくても大丈夫?」と心配になるような、過去のマンガの実写化作品を振り返ります。

●『寄生獣』 PG12

 1989~1995年に雑誌「アフタヌーン」で連載された岩明均先生の作品で、地球に侵略してきた「パラサイト(寄生生物)」と人類が戦いを繰り広げる『寄生獣』は、国内外でファンが多い人気マンガです。発表時は実写映画の制作が発表された際は「グロ描写がどこまでできるのかが問題」「キャスト誰になるんだろう」と、不安に思う意見も少なくありませんでした。

 数々の実写化作品を手掛けた山崎貴監督により、2014年には第1部が『寄生獣』、2015年には第2部『寄生獣 完結編』が公開されると、原作に負けず劣らずのグロテスクなシーンに対し、「なかなかエグくて驚いた」「内臓見えてたけどR指定じゃないんだ」と衝撃を受けた声も出ていました。

 寄生生物は「人間に寄生し、他の人間を捕食する」という性質の通り、作中では頭部が変形して人間が食べられるシーンも描かれています。そのほかにも腹や首の切断面が映るシーンもあるものの、公開時はPG12のレイティングとなっており、小学生も観ることが可能です。

 しかし、2015年に地上波で放送された際は、過激シーンがカットされた状態となっており、SNSでは「これじゃ規制獣」と嘆く声も続出しました。

●『ミュージアム』 全年齢

 雨の日にだけ現れる猟奇殺人鬼・カエル男と、カエル男を追う刑事・沢村(演:小栗旬)の攻防を描くスリラー作品『ミュージアム』(作:巴亮介)は、2016年に実写映画が公開されています。

 カエル男は自身を「アーティスト」と称して残忍な殺人を繰り返しており、その手法は1995年に公開された映画『セブン』に似ていることや、刑事の家族にも危険が及ぶストーリーから、実写映画は「和製セブン」とも言われていました。『ミュージアム』では「生きたまま鎖に繋がれた大型犬3匹に食い殺された死体」や「おびただしい数の釘を体内に入れられた死体」をはじめ、異常な方法で殺された被害者たちが大写しになるシーンもあります。

 そんなトラウマ級のシーンも続出する『ミュージアム』ですが、なんと年齢制限は定められていません。大友啓史監督はインタビューで、「死体があったとしても、そこに至るまでが描かれていないと年齢制限の対象にならない」と発言しており、死体は映しても殺害の現場を描いていない『ミュージアム』は年齢制限が不要となっているようです。ただ、残酷シーンに耐性がない人がうっかり観てしまうのを防止する目的から、ポスターの左下には「危険!」と注意書きが入っています。

【画像】え…?こわッ! やっぱガチの「R指定」作品はポスターから違う? これが「衝撃の実写映画」たちです(7枚)

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