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『フリーレン』アニオリ描写が「良改変」 原作ファンも「深みが増した」と絶賛か

TVアニメ『葬送のフリーレン』の原作は「週刊少年サンデー」で連載されている同名マンガで、もともとマンガ好きのあいだでは高く評価されている作品でした。ですがアニメ化によって、いくつかのオリジナル描写が加わっており、より物語に深みが加わっています。原作とアニメ版にどんな違いがあるのか、紹介していきましょう。

アニメ第17話で描かれた「シュタルクの乳搾り」の意味

画像は、アニメ『葬送のフリーレン』のキービジュアル<新パーティー> (C)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会
画像は、アニメ『葬送のフリーレン』のキービジュアル<新パーティー> (C)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

 マンガを原作としたアニメ作品では、良くも悪くも「アニオリ演出」をめぐる話題が盛り上がることがほとんどです。「原作改変」を蛇蝎(だかつ)のように嫌がるファンがいる一方で、マンガの内容をそのままアニメ化すると、伝わりにくい表現になってしまうことも見受けられます。いつの時代もアニメ関係者の頭を悩ませる問題といえるでしょう。

 そんななか、2023年秋から2クール連続で放送されている『葬送のフリーレン』では、ひとつの理想に近い繊細なアニメオリジナルの描写が光っています。

 同作の原作は、2020年から「週刊少年サンデー」で連載されている山田鐘人先生(原作)、アベツカサ先生(作画)によるファンタジーマンガです。アニメ化の前からさまざまな賞を受賞しており、名作として人気を集めていました。

 マッドハウスが制作を手掛けるアニメ版は、原作にかなり忠実な映像化となっており、設定やストーリーなどもほとんど変わっていません。さらに作中に出てくるセリフがほとんど原作通りであることも話題を呼んでいたほどです。

 しかしその一方で、原作を補完するような気の利いたオリジナル演出が見られるのもアニメ版の特徴といえるでしょう。たとえば印象的だったのは第9話、グラナト伯爵が断頭台のアウラが持つ「服従の天秤」の対抗策について語っていたときの場面です。

「意志の強い者は一時的ではあるが抵抗ができた」と明かすときに、とあるひとりの兵士が描かれていました。この兵士、原作ではどこの誰かも分からない描かれ方だったのですが、アニメでははっきりとグラナト伯爵の死んだ息子であることを示す描写が見受けられます。

グラナト伯爵の息子の結末を明確に描写する必要があったかどうかについては賛否の声があるかもしれませんが、彼が最後までアウラに抵抗した英傑であったことは、原作よりも分かりやすく視聴者に伝わったのではないでしょうか。

 また第17話「じゃあ元気で」においても、さまざまなアニオリ描写が見受けられました。なかでも話題を呼んだのが、Bパートで描かれたシュタルクの乳搾りシーンです。仲間であるフェルンが体調を崩し、療養しているあいだ牛の乳搾りを手伝うシュタルクの姿が描かれていたのですが、原作に当該シーンは登場しません。

 その直前にシュタルクがフェルンの肩を強く押さえてしまい、「やさしくして!」と怒られるという一件があったため、「乳搾りのシーンはシュタルクが力加減を調整できるようになったことを示していたのではないか」とファンのあいだでささやかれているようです。

 ちなみに体調を崩したフェルンを山小屋へ運ぶシーンについても、原作ではおんぶだったところ、アニメではシュタルクがお姫様抱っこをしていました。もしかしたらこれも「やさしくして!」の影響なのかもしれません。

【画像】突然のXトレンド入りで話題に! 「フリーレン巻き」って何?(3枚)

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