『こち亀』両さんは「桃太郎」を大批判! 鬼ヶ島をガチで侵略する作戦がエグ過ぎる
「桃太郎」は仲間と一緒に鬼ヶ島へ行って鬼退治をする物語。しかし『こち亀』の両さんはこの話の内容が現実的でないと批判します。両さんが納得した鬼ヶ島の攻略法とはいったい、どのような作戦なのでしょうか?
鬼ヶ島に真夜中の奇襲攻撃を仕掛ける!?
昔話「桃太郎」は、仲間と一緒に鬼ヶ島へ行って鬼退治をする物語です。しかしこの内容に疑問を持ったのが、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の両津勘吉です。なじみ深い昔話に対し、難癖をつける人はまずいませんが、さすが両さんは違いました。85巻収録の「新桃太郎の巻」では両さんが「桃太郎」に文句を言い、本気で鬼ヶ島を攻略しようとするエピソードが描かれています。
物語は大原部長が孫の教育のため、絵本の「桃太郎」を買ってきたところから始まります。両さんは桃太郎のストーリーに納得がいかないらしく、「昔話のなかでも特に桃太郎の話がインチキくさい」「桃から人間が生まれることが非現実的すぎる」「桃から人間が生まれたら八百屋はうるさくてたまらん」などとツッコミを連発します。
「神秘的な話ですから」と後輩の中川が反論しますが、両さんの批判は止まりません。「鬼をやっつけて宝を奪って帰るのは強盗団とやってることが一緒」「相手は鬼なんだから猿や犬なんて金棒一振りでやられるぞ」と持論を展開しました。
そんな話をしていると、元軍人のボルボ西郷が両さんとサバイバルゲームの打ち合わせをするために派出所へやってきます。両さんは傭兵のプロに、鬼が100匹いる鬼ヶ島に猿1匹と犬1匹、鳥1匹を連れて戦えるか質問します。
「まったく話にならん」と判断したボルボは、代わりに「犬はドーベルマン50頭、猿はゴリラを30頭、鳥は鷹を500羽、そのぐらいの戦力は欲しい」「手りゅう弾も1000発ほど必要」と提案します。さらに鬼ヶ島へ上陸する作戦も綿密で、島の裏は地雷原になっていると考察します。鬼ヶ島の両サイドから、二手に分かれて攻めるプランを考えました。
「まずは鷹に手りゅう弾をくわえさせて、敵本陣をたたき、敵をかく乱させる」「次にドーベルマンを一気に放つ」「そしてゴリラを場内に入れる」という3部攻撃を実行すれば敵の戦力がガタガタになるとボルボは推測します。そこで宝を奪い逃げるという一連の作戦に、両さんは「すばらしい」と大絶賛したのです。
その後、両さんは現代のやり方で鬼ヶ島を奇襲する「新桃太郎」を出版します。内容は、鬼退治を依頼されたプロのハンターが仲間を集め、夜中に鬼ヶ島を奇襲するというストーリー。最後は鬼と手を組んで一緒に都を攻撃し、天下を取るという展開です。この両さんの作った絵本はなんとベストセラーとなりました。
さらに儲けようと、今度は1冊50万円の絵本を制作したものの、こちらはまったく売れずじまい。両さんのせいで出版社は倒産してしまったのですが、両さんは懲りずにトイレットペーパーに絵本を描いて売り出そうとするのでした……。
またも破天荒すぎる両さんが描かれたエピソードでした。とはいえ、もし本当に鬼ヶ島が存在し、鬼に対処する必要があるとしたら、確かにボルボ考案の作戦のほうが現実的ではあります。
(LUIS FIELD)