「R指定映画になると思ってた」「地上波ギリ」 過激過ぎた深夜のマンガ実写化ドラマ
グロテスクな描写や性的な描写が多いマンガの実写化が発表されると、原作ファンから「さすがにあれは無理でしょ」と引き気味のリアクションが見られることも少なくありません。映画であればレイティングによって視聴年齢を制限できる反面、深夜ドラマは不特定多数の目に触れる可能性もあります。
「深夜」とはいえ、地上波なんですが?!
ハードな暴力シーンや流血シーン、性的なシーンなどが多い青年マンガが実写化される際、原作ファンから「あれを再現するのはヤバいって」「コンプラの問題で不自然にカットになりそう」と心配されることも少なくありません。
しかし、近年は年齢制限が付けられる映画だけでなく、誰もが観られる地上波で実写版のドラマが放送されるケースも増加しました。人気アイドルがキャスティングされ、ファンが「推し活」の一環で視聴するも、「過激過ぎて観たのを後悔した」といった戸惑いの声がSNSでトレンド入りを果たす珍事をも巻き起こしています。
今回は、そんな「よく地上波で流せたな」と言いたくなるような過激なマンガの実写ドラマを振り返ります。
●『アカイリンゴ』
『アカイリンゴ』(作:ムラタコウジ)は、性行為が違法となった日本を舞台に、主人公・犬田が性交が行われる会員制クラブで憧れていた女優・美空と出会い、事件に巻き込まれていくサスペンス作品です。作者のムラタ先生も「作者自身が映像化はあり得ないと思いながら描いてた作品」とコメントしているように、過激な濡れ場がたびたび登場します。
読者からも「アニメ化も実写化も難しそう」「R18指定で映画化がギリかな」と言われていましたが、2023年に放送された実写ドラマでは、ほぼ毎話セックスシーンや激しく責められるシーンが盛り込まれ、SNSには「地上波でここまでやるとは思わなかった」と驚きを隠せない視聴者の反応が多数ありました。
『アカイリンゴ』の撮影現場には、露出や身体的接触を伴うシーンを撮影する際に役者・監督の間で調整を行う専門家・インティマシーコーディネーターが携わっていたことがインタビューなどで明かされており、過激でありながらもギリギリのラインの濡れ場を再現していたようです。
主演を務めた小宮璃央さんや幼馴染・優を演じた川津明日香さん、美空を演じた新條由芽さんは、いずれも戦隊モノや仮面ライダーなど特撮作品のメインキャストを過去に経験しており、それらの作品をきっかけにファンになった人たちは「こんな役までできるなんてすごい」「イメージがガラッと変わりそう」と温度差に衝撃を受けていました。
●『シガテラ』
『ヒミズ』『ヒメアノ~ル』など実写化された作品が多い古谷実先生の代表作のひとつで、いじめられっ子の高校生・荻野の日常の幸せとそれを蝕む「非日常」を「毒」という切り口で描いたマンガ『シガテラ』は、2023年に約20年の時を経て実写ドラマがテレビ東京で放送されています。
実写ドラマ『シガテラ』では、原作にもあったセックスシーンが驚くほどしっかり再現されていました。特に醍醐虎汰朗さんが演じる主人公、荻野と恋人の南雲ゆみを演じた関水渚さんがラブホテルのバスルームで裸で抱き合うシーン、いじめっ子の同級生である谷脇の彼女で、吉原怜那さんが演じるアキコと荻野が一線を超えてしまうシーンは、「テレ東攻め過ぎ笑」「ここまで再現するとは思わなかった」と原作ファンの驚きの声も出ています。