『スター・ウォーズ』そっくりだが、侮れない映画3選。もはやSFは現代の「神話」?
SWの元ネタはフランスにあった?

最後に登場するのは、フランスのリュック・ベッソン監督が撮ったSF超大作『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』(2017年)です。敵キャラや宇宙船のデザインなどが、SW初期三部作によく似ていることに驚く人も少なくないでしょう。
この『ヴァレリアン』は、1967年に連載が始まったフランスの人気コミック「ヴァレリアン」を原作にしたもので、欧州では広く愛されてきた作品でした。ジョージ・ルーカスは、黒澤明監督の時代劇『隠し砦の三悪人』(1958年)をはじめ、古今東西のさまざまな映画&TVドラマ、コミックから影響を受けてきたことを語っています。ルーカス本人は明言していませんが、「ヴァレリアン」もそのひとつだと言われています。
メル・ブルックス監督の『スペースボール』は一種の貴種流離譚として描かれており、リュック・ベッソン監督の『ヴァレリアン』も、チャラい連邦捜査官のヴァレリアン(デイン・デーハン)が相棒のローレリーヌ(カーラ・デルヴィーニュ)との数々の冒険を経て、真実の愛を見つける英雄譚となっています。『スター・ウォーズ』をはじめとするSF映画は、現代社会が生み出した新しい神話だと言えるのではないでしょうか。
(長野辰次)