100万本以上売れた『ファミコンジャンプ』に賛否あり? その「気になる理由」とは
2024年2月で『ファミコンジャンプ 英雄列伝』は発売35周年を迎えます。「週刊少年ジャンプ」の人気キャラが集結したRPGで、100万本以上を売り上げる大ヒットを記録しました。しかし、実際にプレイした人からは賛否の声があがっており、実際どのようなゲームだったのか振り返ります。
ジャンプキャラが大集合したゲームは「クソゲー」だったのか
1989年2月25日にバンダイから発売されたファミコン用ソフト『ファミコンジャンプ 英雄列伝』は、2024年で35周年を迎えます。
本作は「週刊少年ジャンプ」(集英社)の創刊20周年を記念して発売されたゲームソフトで、『ドラゴンボール』や『北斗の拳』を始め、ジャンプを代表する人気作品のキャラクターが数多く登場しました。
そんな『ファミコンジャンプ』は110万本も売れる大ヒットを記録しましたが、その一方で「クソゲー」と評する人もいました。そこで『ファミコンジャンプ』の内容や、評価がわかれたポイントについて振り返ります。
同作は、現在と過去のふたつの時代に分かれた5つのエリアに存在する16人のジャンプキャラを仲間にして、世界を乗っ取ろうとする悪役たちを倒すというストーリーのRPGです。
連載中の作品のキャラだけでなく『男一匹ガキ大将』や『ドーベルマン刑事』といった往年の名作のキャラクターまで登場しました。
そんなジャンプオールスターが活躍する『ファミコンジャンプ』が不評だった理由としては、「エリアの広さの割に移動速度が遅い」「遊ぶ時間の大部分が退屈なダンジョンだった」など、ゲームバランスに関する意見が目立ちます。
ちなみに『こちら葛飾区亀有公園前派出所』のコミックス105巻に収録された「やったぜ!ゲーム化の巻」では、主人公・両津勘吉が『ファミコンジャンプ』のことを「大味なゲームだった」と評しています。
一方、同作が面白かったというプレイヤーからは、メジャーなジャンプ作品のキャラだけでなく、『ゴッドサイダー』の鬼哭霊気、『荒野の少年イサム』の渡イサムといった、ややマイナーなキャラまで登場することを喜ぶ意見がありました。
また、コマンドによる1対1の対戦形式が採用された最終決戦も好評だった部分です。対戦相手とプレイヤーが選んだキャラの組み合わせによって有利、不利が生まれるので、そこを試行錯誤するのも面白さのひとつでした。
場合によっては『銀牙 -流れ星 銀-』の赤カブトと、『Dr.スランプ』の則巻アラレが激突するなど、作品の枠を超えて、想像もつかない組み合わせが実現する点を「神ゲー」と評する人もいます。
とはいえ冷静に振り返ってみると、作品の世界観がバラバラなマンガのキャラクターたちを、ひとつのゲームにまとめるのは相当困難な作業だったことが伺えます。
人によっては満足できない面は多々あると思いますが、マンガ雑誌の歴代人気キャラがひとつのゲームに集結するという試みは斬新でした。
2019年には「週刊少年ジャンプ」創刊50周年を記念してジャンプの歴代作品のキャラたちが戦うアクションゲーム『JUMP FORCE』(バンダイナムコ)が発売されましたが、この流れの原点ともいえる作品が『ファミコンジャンプ』だったのかもしれません。
(LUIS FIELD)