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意外と多い? 原作者が「激怒」したマンガの実写ドラマ 「作品を守る」行動を起こした作家も

人気を集めるさまざまなマンガが実写ドラマ化されてきましたが、作品づくりの過程や完成後の内容などにおいてトラブルが発生したケースはたくさんあります。あらためて振り返ってみましょう。

「クソみたいな会社」「最悪の年」……いったい何が?

ドラマの内容が原作からかけ離れたために、連載が中断してしまった、ドラマ『おせん』DVD-BOX(廃盤)
ドラマの内容が原作からかけ離れたために、連載が中断してしまった、ドラマ『おせん』DVD-BOX(廃盤)

 マンガを原作にした映画やドラマは星の数ほど存在します。アメリカやヨーロッパや韓国やインドなどに比べても、日本の実写映画・ドラマはマンガの原作が多いように感じられます。それだけ日本のマンガが優れているということでしょう。

 なかには成功作もありますが、作品完成の前後にトラブルが発生し、原作者が怒ってしまうケースも少なくありません。過去にどのようなトラブルがあったのか、あらためて振り返ってみましょう。

●『海猿』

 佐藤秀峰先生の原作マンガ(原案・取材:小森陽一)を、NHKが二度ドラマ化した後、フジテレビが『海猿 ウミザル』(04年)として映画化、続いてドラマ『海猿 UMIZARU EVOLUTION』(06年)を制作しました。その後も映画化が続き、10年の3作目は興収80億円、11年の4作目は興収73.3億円のメガヒットを記録しています。

 ところが、佐藤先生はフジテレビがアポイントもなく自身の事務所に突撃取材を行ったこと、抗議への対応が納得のいくものではなかったこと、さらに『海猿』関連書籍を契約の締結なしに販売していたことを理由に、同作の続編制作を許可しないことを発表しました。

 佐藤先生は2017年に自身のTwitter(現:X)で、実写版に関するすべての契約が終わり、今後テレビやネットで放送・配信されることはないと報告しています。2024年2月2日にはnoteを更新し、出来上がった映画について「クソ映画でした。僕が漫画で描きたかったこととはまったく違いました」「しかし、当時はそうした感想を漏らすことはしませんでした」と綴り、「人間の醜い面を散々見せつけられた」「もう無理だな」と契約更新に応じなかったことを明かしています。

●『おせん』

 きくち正太先生の『おせん』も、ドラマ化によって起こったトラブルが知られています。日本テレビによって2008年にドラマ化されましたが、きくち先生は「原作とのあまりの相違にショックを受けたために創作活動をおこなえない」として連載を中断してしまいました。最終巻となった第16巻には「2008年は最悪の年だった。」「おせんのドラマ化にかかわった様々な人達の中のごくごく一部の人間に心から言いたい。」「真っ当であって下さい。」と記しています。

 おせん役の蒼井優さんがきくち先生のイメージと異なっていたこと、内博貴さん演じる江崎ヨシ夫の役柄が変更されてクローズアップされていたことなどが原因ではないかと推察されます。ドラマの現場も混乱していたのか、最終回は刺身にも何でもケチャップをかけてしまう子どもが登場しましたが、特に何もなく、そのまま終わってしまいました。

 その後、きくち先生は2009年に『おせん 真っ当を受け継ぎ繋ぐ。』というタイトルで連載を再開。2022年からは『-おせん-和な女』というタイトルの続編が始まりました。作品自体が終わってしまわなかったのは、幸いだったと言えるでしょう。

●『いいひと。』

 草なぎ剛さん主演でドラマ化された『いいひと。』(1997年)は、ドラマ化が原因で原作の連載が終了してしまいました。原作者の高橋しん先生は、「終了を決めた直接のきっかけは、テレビドラマ化でした」と明言しています。制作した関西テレビ・共同テレビに伝えたドラマ化の条件のなかに「ゆーじと妙子だけは変えないこと」という一文があったにもかかわらず、ゆーじの設定が変えられてしまったことが原因でした。当初、「原作」だったクレジットは途中から「原案」に変更されています。

「私は、もうこれ以上わたし以外の誰にも変えられずに、読者の方々の中の『いいひと。』を守ること、そして同時に多くの読者の方に悲しい思いをさせてしまった、その漫画家としての責任として私の生活の収入源を止めること、その二つを考え連載を終了させようと思いました」と記しています([しんプレ!]on the web. 平成10年11月20日)。自身の作品を守ろうとする行動だとわかります。

【画像】「えっ… 巨匠が激怒?」 これが原作者が内容に不満を漏らした実写化作品です(5枚)

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