【漫画】がんを隠し…嘘をついて亡くなった父 娘へのプレゼントに「優しさに号泣」「感動」
母親が家を出ていってから、父親とふたりで暮らす柚。ある日、学校で友達から中学生絵画コンテストの入賞祝いの青い髪飾りをもらい喜んでいると、父親が亡くなったとの連絡が入ります。柚はそのとき初めて、実は父親ががんで入院をしていたことを知って……。作者の吉良いとさんにお話を聞きました。
髪飾りに込めた父の想いとは

中学生絵画コンテストに入賞した柚(ゆず)は、友達から青い髪飾りをプレゼントされ喜んでいました。すると、学校に父親が亡くなったとの連絡が入ります。実はがんで入院していたのです。柚は、父が心配をかけたくないと、出張と偽り、がんであるのを黙っていたことを初めて知ります。幼少期、母親が家から出て行ってしまった経験から、父親のことを信じられなくなっていた柚にとってはつらい出来事でした。お葬式の当日、父親にうそをつかれたまま先立たれたとふさぎ込んでいると、幽霊が視えるという葬儀屋さんが話しかけてきて……。
吉良いとさん(@kilightit)がX(旧:Twitter)に「幽霊が視える葬儀屋さんと嘘つきなお父さん」として掲載した『幽霊が視える葬儀屋さん』が話題です。いいね数は9700を超えており、読者からは「優しいウソですね」「柚が自分と重なって読んでいて涙があふれてきました」などの声があがっています。
吉良いとさんは漫画家として活動しており、今作以外にも愛の逃避行を描いたサスペンス・ラブマンガ『偶像エスケープ』全2巻(KADOKAWA)や、マンガ作品短編集『BOX!吉良いと短編集』全2巻(ナンバーナイン)が発売中です。
作者の吉良いとさんにお話を聞きました。
ーー今作『幽霊が視える葬儀屋さんと嘘つきなお父さん』が生まれたきっかけや、理由を教えて下さい。
「嘘」は誰もがつける。でもそれが「優しい嘘」だったら……。どこにでもあるような親子のすれ違い、本音、愛情を描きたくて、「嘘つきなお父さん」が生まれました。「幽霊が視える葬儀屋さん」はわだかまりを残した親子の最後の橋渡し人です。
ーー親子の絆がとても素敵でした。今作を描くうえでこだわったポイントや、お気に入りのシーンなどはありますか?
物語の後半、柚が父に対する本当の思いを語るシーンがお気に入りです。文句も言いつつ、そんな父の不器用なところも愛おしい。そんな切ない気持ちが読者の方に伝えられていましたら幸いです。

ーーたくさんの感想が寄せられていますが、特にうれしかった感想の声、印象に残った読者のコメントはありましたか?
「あなたの描くマンガはとても人間らしく、幸せな物語でした」というご感想がとても印象的で……。私は「キャラクターたちの良くも悪くも人間臭いところを描きたいんだなあ」と気付かされたお言葉でした。そして最終的に、キャラクターたちにはあたたかい気持ちで物語を終えて欲しい。それが、私が描くマンガの根幹なのだと実感しました。
ーーそのほかにも、吉良いとさんのマンガ作品短編集シリーズ第2弾『BOX!吉良いと短編集』第2巻(ナンバーナイン)がKindleで発売されています。収録内容や見どころなどをご紹介いただけますか?
『BOX!吉良いと短編集』第2巻(ナンバーナイン)はSNSでご好評いただいた作品がたくさん収録されています。描き下ろしは『小さな大怪獣ペゴモン』。初掲載のときに4万いいね以上をいただいた「怪獣のこども」の前日譚です。たくさんの物語のなかからどれかひとつでもお気に入りが見つかる……そんな短編集となっていますので、お手に取っていただけるとうれしいです!
ーー今後はどのような創作活動をされる予定ですか?
商業・個人執筆を並行しながら、これからもたくさんの物語を世に出していければと思っています。また、いままでと違うジャンルのお話にも挑戦していきたいです! 今後とも応援のほどよろしくお願いいたします!
●吉良いとさん 過去のインタビュー
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(マグミクス編集部)