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『コナミワイワイワールド』の思い出。 「クソゲー」あふれた時代の高度なゲーム設計

ストレスを感じない高度なゲーム設計

『コナミワイワイワールド2 SOS!!パセリ城』(画像はWii U用ダウンロード版) (C)Konami Digital Entertainment
『コナミワイワイワールド2 SOS!!パセリ城』(画像はWii U用ダウンロード版) (C)Konami Digital Entertainment

 今、改めて『コナミワイワイワールド』のことを思い返してみると、ゲームを構成する要素が極めて多い割に、プレイしていてストレスを感じない設計になっていたなと感じます。

 当時のファミコンソフトのなかにはキャラクターを動かすだけで一苦労だったり理不尽だったりする設定も数多く見受けられました。今でもよくネタにされる『スペランカー』はその代表的な例ですが、他にも極端な操作性や敵弾の視認性の悪さなどの要因で、ほとんどゲームにならないようないわゆる「クソゲー」は山のように存在し、子供たちを嘆かせていました。

 対して『コナミワイワイワールド』は操作性が良く、キャラクターを動かすときにストレスを感じることはありませんでした。

 また、使用キャラクターはプレイ中に一瞬で変更できたのも、当時の技術としてはかなり高度なレベルだったのではないかと思います。

 タイトルも記録媒体が違うので比較対象にするべきではないのでしょうが、筆者はMSXというホビーパソコンで『レリクス』というタイトルを遊んだ際に、マップを切り替える際のデータの読み込みだけでもの凄い時間がかかるという体験をしたことがあります。今調べたところ、『レリクス』の発売は1986年なので、『コナミワイワイワールド』の発売時期と2年しか変わりません。もちろんハードウェアの性能や特性も大きく影響しているのでしょうが、「KONAMI」の開発者が持っていた技術が高度であったことに間違いはないでしょう。

 そしてゲームが持つ「目的性」もきっちりと定められていました。味方を救出し戦力を集め、アイテムを回収して個々の戦闘能力を強化し、戦闘機を駆り敵の宇宙基地へと乗り込み、内部からの破壊工作を行い脱出してハッピーエンド。完璧な流れです。

 何をすればいいのか分かりやすく、ゲーム内の各要素も魅力的で、アクションとシューティングを1本で同時に遊べる超・お買い得なゲーム、それが筆者にとっての『コナミワイワイワールド』でした。1回のプレイが1時間ちょっとくらいで終わるので、小学生の頃の夏休みでは朝1回クリアしてから友達とプールに行き、帰ってきて昼ご飯を食べてからまた1回クリアしていました。あのときは当たり前だと思っていた、宝石のような時間を共に過ごした大切なカセットのひとつです。

(早川清一朗)

【画像】『コナミワイワイワールド』に登場した、懐かしいゲームたち(5枚)

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