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知らない顔ある? 『ガンダム』一年戦争のゲームが初出の個性強めな「幻のガンダム」

数多くのゲームソフトを販売してきた「ガンダム」シリーズには、ゲームオリジナルの「ガンダム」タイプMSが数多く存在します。「一年戦争」を舞台にしたゲームに見られる機体だけでも、実に個性豊かです。

特殊な能力でゲーム世界を駆け抜ける「ガンダム」たち

BANDAI SPIRITS「HGUC 1/144 ガンダムピクシー」 (C)創通・サンライズ
BANDAI SPIRITS「HGUC 1/144 ガンダムピクシー」 (C)創通・サンライズ

『機動戦士ガンダム』に登場するMS(モビルスーツ)は、アニメで登場したものだけではありません。時には雑誌やマンガなど、別媒体から生まれたものもあります。特にゲームで登場したMSは、メジャーになったものからマイナーなものまでさまざまでした。

 ゲームオリジナルMSは多々あるなか、今回は「一年戦争」を主舞台とした「ガンダム」タイプのMSをいくつか見ていきましょう。

 最初にゲームで登場した「ガンダム」といえば、スーパーファミコン用ゲーム『機動戦士ガンダム CROSS DIMENSION 0079』(バンダイ、1995年)に登場した「RX-78XX ガンダム・ピクシー」になります。

「ピクシー」は宇宙用のスラスターを取り除くことで軽量化、代わりにアポジモーターを増設することで地上での俊敏さを増した機体でした。その機動力は一年戦争当時、地球圏最速の機体と言われていたほどです。全3機が試作されました。

 ちなみにモチーフは「忍者」で、ライバル機であるジオン公国軍の「MS-08TX イフリート」のモチーフである「武士」と対を成すものです。前述のゲームに登場するのは2号機で、「ホワイトベース」にいる「アムロ・レイ」のもとに届けられる予定だった、という設定でした。

 この「イフリート」もゲーム用に用意されたMSで、後の作品にも登場することが多い機体です。その名を知らしめたのは、セガサターン用に三部作として販売された『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』(バンダイ、1996年、1997年)に登場した「MS-08TX[EXAM] イフリート改」でしょうか。この作品にも「ブルーディスティニー」と呼ばれる3機のゲームオリジナル「ガンダム」が登場しています。

大河原先生描き下ろしBD2号機 VS 同3号機が表紙の小説版、講談社文庫『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』(著:皆川ゆか/原作:矢立肇/原作:富野由悠季)書影
大河原先生描き下ろしBD2号機 VS 同3号機が表紙の小説版、講談社文庫『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』(著:皆川ゆか/原作:矢立肇/原作:富野由悠季)書影

 これら3機のガンダムは「RX-79[G] 陸戦型ガンダム」をベースに大幅な改修が加えられ、その最大の特徴は「EXAMシステム」が搭載されていることでした。EXAMとは疑似ニュータイプ能力を備えた戦闘用OSのようなものです。

「RX-79BD-1 ブルーディスティニー1号機」は、「RGM-79[G] 陸戦型ジム」の頭部であるために一見すると「ジム」に見えますが、これは当初、「陸戦型ジム」をベースに製作されていた名残でした。「ジム」ではEXAMに耐えられないため、ボディを「陸戦型ガンダム」で作り直し、頭部はそのまま流用したためです。

 この1号機を経て、「RX-79BD-2 ブルーディスティニー2号機」と「RX-79BD-3 ブルーディスティニー3号機」が開発されました。この2機は原型機とは違って、宇宙空間での戦闘も視野に入れて試作されています。

 ゲームオリジナルMSの中でも知名度と人気の高い「ガンダム」でした。立体化にも恵まれ、近年にはリブートされたマンガも発表されています。

【画像】赤かったり青かったり…こちらが「一年戦争」で運用された各種「ガンダム」と「イフリート」です(31枚)

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