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「打切り理由」は全部こじつけ? 放送50年『仮面ライダーX』が短命だった本当のワケ

「仮面ライダーシリーズ」第3作『仮面ライダーX』の放送から50年が経ちました。意欲作でしたが、8か月という半端な期間で終了し、打ち切りをささやく声が聞かれます。しかし実のところそれとは別の、とある問題が要因だったようです。

新機軸を盛り込んだ意欲作の『仮面ライダーX』

「仮面ライダー 昭和 vol.4 仮面ライダーX」(講談社編、2016年、講談社)
「仮面ライダー 昭和 vol.4 仮面ライダーX」(講談社編、2016年、講談社)

 本日2月16日は、1974年に『仮面ライダーX』が放送開始した日です。今年で50年の時が流れました。「仮面ライダー」シリーズ第3作であり、1作目は2年間、2作目『V3』は1年間の放送でしたが、本作は8か月間で終了となりました。なぜ1年間放送とならなかったのでしょうか、その理由について振り返ってみましょう。

 本作は企画段階において、それまでにない新しいタイプの「仮面ライダー」を模索していました。石ノ森(当時「石森」)章太郎先生の原案デザインには、「ライフルを持ったカミキリムシ型の仮面ライダー」というものもあったそうです。もしもこのデザインのまま進んでいれば、いわゆる「昭和ライダー」は素手で戦うというイメージにはならなかったかもしれません。

 このアイディアが二転三転し、「5号」となることからローマ数字の「V」をモチーフにしたデザインが取り入れられます。しかしVは前作『仮面ライダーV3』とかぶることから、Vをふたつにした「X」となりました。主題歌の「額に輝くVとV」はこれを意味します。

 こうして本作の主人公、「Xライダー」こと「仮面ライダーX」が誕生しました。そして手持ちの武器は銃ではなく、剣や棒となる多目的武器「ライドル」となります。このライドルがXライダーに個性を与えることになりました。

 Xライダーはそれまでの昆虫モチーフのライダーではなく、「カイゾーグ」と呼ばれる深海開発用改造人間、いわば「メカニックライダー」というべき存在です。ボディに自然を意味する「緑色」が使われていない初めての「仮面ライダー」でした。

 このほかにも、変身ポーズによる従来の「変身」から、「セタップ」(セットアップからの造語)と呼ばれる変身方法となります。この際に「レッドアイザー」と「パーフェクター」を装着するさまが描かれ、メカニカルなプロセスで変身していることをアピールしました。

 従来と変わったのは主人公だけではありません。敵である悪の組織もこれまでにないものとなりました。それが、対立する大国同士が水面下で手を握り、日本消滅をたくらむ秘密結社「GOD」です。今までの世界征服を目的とした組織とは一線を画する存在でした。

 このためからかスパイ的な要素が増え、上層部からの指令はテープレコーダーによって行われ、伝達が終わると消滅して証拠を消すというものになります。さらに、これまでの組織の実働部隊は「戦闘員」でしたが、GODでは「戦闘工作員」と呼ばれていました。

 作戦の中心になる怪人も、従来の動植物の能力を持ったタイプから、ギリシア神話に登場する怪物や英雄、神などの力を持った通称「神話怪人」となります。筆者と同世代である当時の子供たちの多くは、この神話怪人でギリシア神話に興味を持ったことでしょう。

 ちなみに初期の企画段階では、もうひとつのタイプの怪人も登場予定にありました。それには「発生地名によって形態能力を持つタイプ」とあり、予定には「アルプスキッド」「デスガンジス」「サタンドセーヌ」といった怪人の名前があります。あえて名付けるなら「地名怪人」といったところでしょうか。

 これらの怪人は、世界中から日本が狙われているという雰囲気を出すにはよかったのかもしれません。作品後半に出てくる悪人軍団も、こういったアイディアを経由して誕生したのでしょう。

 こうして新機軸をいくつか導入した本作ですが、思いもよらない苦難の道を歩むことになるのでした。

【画像】デカくてヤバい こちらが「ライダー」シリーズ初の敵巨大ロボ「キングダーク」です

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