『デカレンジャー』放送から20年 刑事ドラマ由来の「特異な設定」 続編も多く人気のワケは?
TV放送終了後も続編が製作、「夢の共演」も?
本作の魅力といえば他にもあります。個性豊かなキャラクターたちを演じる俳優陣もその魅力のひとつでしょう。
熱血漢の主人公「バン」こと赤座伴番/デカレッド(演・載寧龍二さん)、冷静沈着な天才肌の「ホージー」こと戸増宝児/デカブルー(演・林剛史さん)、物腰穏やかで頭脳派の「センちゃん」こと江成仙一/デカグリーン(演・伊藤陽佑さん)、死語好きなクールビューティー「ジャスミン」こと礼紋茉莉花/デカイエロー(演・木下あゆ美さん)、お風呂大好き「ウメコ」こと胡堂小梅/デカピンク(演・菊地美香さん)、追加メンバーである「テツ」こと姶良鉄幹/デカブレイク(演・吉田友一さん)がメインのデカレンジャーとなります。
これをまとめる地球署の署長である「ボス」ことドギー・クルーガー/デカマスター(声・稲田徹さん)と、地球署のメカニックである白鳥スワン/デカスワン(演・石野真子さん)が本作のレギュラーでした。お気づきと思いますが、レギュラー全員が変身できるというのも本作の特徴でしょう。放送当時は変身メンバーが戦隊シリーズ最多でした。
高い人気を得た作品で、共演者たちの仲もたいへん良かったと聞いています。それゆえでしょうか、近年に至るまで続編や他作品の出演が多い作品でした。
直接の続編とも言えるのが、戦隊シリーズ十周年記念作品「10 YEARS AFTERシリーズ」の第2弾として製作された『特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER』(2015年)です。TV版の10年後が描かれており、TVシリーズのプロデューサーだった塚田英明さんが『科捜研の女』、土田真通さんが『相棒』を担当していたことから、より本格的な刑事ドラマ要素が加えられていました。
『スペース・スクワッド ギャバンVSデカレンジャー』(2017年)では、2代目宇宙刑事ギャバンとの共闘が描かれています。この作品でファンが長年望んでいた宇宙刑事との共演が成されました。もっとも、過去のヒーローショーで「宇宙警視総監」となった初代ギャバンとの共演があったそうです。
この「スペース・スクワッド」というチームは日本版『アベンジャーズ』を目指していたそうで、宇宙刑事以外にも他のメタルヒーローとの共演となりました。『ガールズ・イン・トラブル スペース・スクワッド EPISODE ZERO』(2017年)という女性陣が中心となった前日譚も製作されています。
さらにこの世界観の延長で、母親となったジャスミンが、他の戦隊ヒロインと共演した作品『ヒーローママ☆リーグ』もありました。この他にも他の戦隊と同じく、前後の戦隊との『戦隊VSシリーズ』や、仮面ライダーとの共演になる『スーパーヒーロー大戦』といった作品にも出演しています。
20周年にあたる本年2024年には、『特捜戦隊デカレンジャー 20th ファイヤーボール・ブースター』の上映も6月に決定しました。今後も人気が続く限り「デカレンジャー」の物語は終わりそうにはありません。これからもファンには楽しみなことです。
(加々美利治)