奇跡か超常現象か? ガンダムファンも理解できない「謎テクノロジー」3選
「ガンダム」作品で描かれるメカや技術には、緻密な設定が用意されています。しかし、なかには超常現象と見間違うような不思議な現象を起こす場面もありました。そのような、ガンダム作品に見た「謎めいた技術」について振り返ります。
作中では仕組みが明らかになっていない、謎めいた技術
「ガンダム」シリーズを彩るバリエーション豊かなメカニックの数々は、作品の魅力のひとつです。個々の機体ごとに緻密な設定が用意されており、視聴者に一種のリアリティを与えてくれます。
そんなガンダムの世界では、「ミノフスキー粒子」という革新的な発見があったことで、作中の「戦争」に大きな変革をもたらしました。ミノフスキー粒子を散布することでレーダーや遠距離通信が使用不能になり、有視界戦闘が中心になったのです。
そこで生まれたのが、有視界戦闘に特化した近距離戦用の兵器「モビルスーツ」です。
また、ミノフスキー粒子を活用した応用技術も、作品に大きな影響を及ぼしています。モビルスーツの動力源となる「熱核反応炉」、強力なビーム兵器「メガ粒子砲」なども、ミノフスキー粒子による賜物です。
そんなガンダム世界のテクノロジーのなかには、よく理解できない不思議な現象を起こしたケースもありました。まるで奇跡のような超常現象を引き起こした、謎の多い技術について振り返ります。
●人知を超えた能力を発揮した「バイオセンサー」の謎
『機動戦士Zガンダム』で初めて登場した「バイオセンサー」という技術があります。これは大型モビルアーマーなどに搭載されたサイコミュシステムを簡略化して、通常のモビルスーツに搭載したものです。
作中では「Zガンダム」、「ジ・O」に搭載され、のちに「ZZガンダム」、「リ・ガズィ」などにも採用されました。
本来はニュータイプのパイロットが乗る機体の反応速度などを向上させる補助システムにすぎませんが、なぜかバイオセンサーを搭載したZガンダムは、たびたび不可解な現象を起こしています。
機体出力を想定以上に増大させたり、サイコ・フィールドと呼ばれる謎の力場を発生させてビーム攻撃を弾き返したり、敵機の制御を強引に奪ったりと、超常現象のような事例を何度も見せました。
おそらくはZガンダムに搭乗したカミーユ・ビダンの高いニュータイプ能力が、バイオセンサーに影響したものと思われますが、厳密にどういう理由なのかまでは明らかにされていません。
●分かるようで分からない「サイコ・フレーム」という新技術
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』には「サイコ・フレーム」という技術が登場しました。これはサイコミュの機能を有する極小のコンピューターチップを金属粒子レベルで鋳込む(いこむ)という新技術です。
新生ネオ・ジオンのシャア・アズナブルによって開発され、サイコ・フレームの導入によって一時代前のモビルアーマークラスの性能をモビルスーツサイズの機体(サザビー)に詰め込むことに成功しました。なお、シャアはサイコ・フレームの技術がアムロの所属する「ロンド・ベル」に渡るようにリークもしています。
そのサイコ・フレームには、パイロットの感応波や、周囲の人間の感応波をキャッチし、機体の反応速度を向上させる特徴がありました。しかも、従来のサイコミュより軽量、かつ高い強度を誇ります。
しかし、そんなサイコ・フレームは、さまざまな想定外の現象を引き起こします。その最大級の現象が、いわゆる「アクシズ・ショック」と呼ばれるものです。地球に向けて降下を開始していた小惑星アクシズを、サイコ・フレームを搭載した「νガンダム」が押し戻すという奇跡を起こしました。
そのときチェーン・アギが持っていたT字型のサイコ・フレームが美しい光を振りまきながら飛行する描写もあり、まさに人知を超えた神秘的な現象を思わせるシーンでした。
アクシズ・ショックが発生した理由には諸説ありますが、サイコ・フレームが大きく関係していることだけは間違いないでしょう。
ちなみに「フル・サイコフレーム構造」が採用された「ユニコーンガンダム」も、いろんな奇跡を起こしています。