マグミクス | manga * anime * game

“本家”上陸前に作られた和製「スター・ウォーズ」2作品。映像界に残した遺産とは

宇宙が舞台の時代劇? 『宇宙からのメッセージ』

映画『宇宙からのメッセージ』DVD(東映)
映画『宇宙からのメッセージ』DVD(東映)

 一方、東映が製作した『宇宙からのメッセージ』は、1978年のゴールデンウィーク映画として公開されました。前年に時代劇映画『柳生一族の陰謀』(1977年)のメガホンをとった深作欣二氏が監督に抜擢され、脚本も同じく『柳生一族の陰謀』に参加した松田寛夫氏が手掛けました。また原案には漫画家の石ノ森章太郎氏とSF作家の野田昌宏氏、深作監督と脚本の松田氏の4人が名を連ねています。

 本作の物語は惑星ジルーシアの民が“リアベの実”を太陽系に放ち、リアベの実に選ばれた8人の勇士を集め圧政を敷くガバナス帝国に戦いを挑むというもの。曲亭馬琴の読本『南総里見八犬伝』をベースにした物語で、ヒキロクやカメササなど『八犬伝』から名前を取られた人物も登場します。

 ガバナス帝国皇帝ロクセイア12世が「和議」「臣下の礼」という単語を発したり、クライマックスのアクションのひとつがチャンバラだったりと、本作には東映京都撮影所が得意とした時代劇の要素が強く見られます。

 本作で特筆すべき点が、“東通ecgシステム”という合成技術の導入です。ecgとは“ELCTRO CINEMA (PHOTO) GRAPHY”の略で、もともとは人工衛星から送られてくる映像を受信するためNASAで開発されたものでした。従来の合成技術ではフィルムが現像されるまで映像の仕上がりを確認できませんでしたが、ecgシステムの場合は現場のモニターで確認することが可能だったのです。

 本作の特撮監督を務めたのが、先日逝去された矢島信男監督。矢島監督と深作監督のデビュー初期からの古い付き合いで、本作では人間の演技に関わらない特撮場面の演出は矢島監督に全任されていました。矢島監督は以降も『魔界転生』(1981年)や『里見八犬伝』(1983年)などで特撮監督を務め、深作欣二監督作品を支えていました。

【画像】特撮ファンの記憶に残る! 「和製スター・ウォーズ」がもたらしたメカ(5枚)

画像ギャラリー

1 2 3