「OP制作途中」「アイドルゲーがロボットモノに」 色んな理由で物議を醸したアニメ
アイドルがロボットを操縦?
●『アイドルマスター XENOGLOSSIA』
2005年のアーケード版から始まったアイドルプロデュースゲーム「アイドルマスター」シリーズは、数々のタイトルが登場しているほか、ゲームを原作にアニメ化もされています。
数多くのアニメシリーズが放送されてきましたが、なかでもアニメ1作目として登場した、2007年放送の『アイドルマスター XENOGLOSSIA』は、「原作要素がほとんどない」ことからファンの間で物議を醸しました。
同作はゲーム『THE IDOLM@STER』の登場人物と名前や見た目が同じキャラは登場するものの、設定やストーリーは大胆にアレンジしています。
ゲームは「トップアイドルを目指す」というテーマなのに対し、『XENOGLOSSIA』は選ばれし少女たちであるアイドルマスターが隕石除去人型重機「iDOL」を操縦するという内容で、ジャンルでいえば「ロボットアニメ」に部類されるものでした。
さらにキャラデザインや声優もゲームと違うのも相まって、ファンからは「アイマスと思っていたら、まるで違う作品でショックだった」「アイドルマスターのキャラを使う理由がわからない」など不満の声も目立つ作品になってしまったのです。
一方で、別物なのはともかくロボットアニメとして一定の評価もあり、「純粋にロボットアニメとしてみたら、かなり意欲的な作品」「逆に『アイマスとして邪道』と避けるのはもったいないほど、完成度の高いロボットアニメ」といった意見もある作品です。
●『カウボーイビバップ』
1998年に放送されたアニメ『カウボーイビバップ』は、今も根強い支持を受ける名作ですが、当時のテレビ事情の影響を大きく受けてしまったことで物議を醸した作品でもあります。
同作の舞台は、「位相差空間ゲート」によって短時間で惑星間を航行できるようになり、宇宙時代を迎えていた未来の太陽系です。賞金のかかった犯罪者を追って宇宙を飛び回る、通称「カウボーイ」と呼ばれる賞金稼ぎが生業のスパイク(CV:山寺宏一)とジェット(CV:石塚運昇)は、謎の女フェイ(CV:林原めぐみ)、天才ハッカーのエド(CV:多田葵)、人間並みの知能を持つデータ犬のアインと「惑星間航行船ビバップ号」で奇妙な共同生活を送ります。
そもそも全26話で構成されていた作品ですが、実際にテレビ東京系列で放送されたのは全13話で、1話目で本来の2話が放送されたり、順番通りではなく飛び飛びで放送されたりと当時の視聴者を困惑させました。
一説によれば、1997年にアニメ『ポケットモンスター』で発生した「ポケモンショック」が原因で放送基準が厳しくなった結果、『カウボーイビバップ』では泣く泣くカットされた話があるともいわれています。
また最終回の「よせあつめブルース」も有名で、終始、既存映像の切り貼りを繰り返すダイジェスト版のような描写が続き、その最終話らしからぬラストは話題になって「何か裏の意味がある?」「普通の最終回ではない」など真の意味を求める視聴者が続出しました。
そして、その後に真の『カウボーイビバップ』である全26話分がWOWOWで放送されました。
(LUIS FIELD)