10年前「消える」と言われた「重厚長大ゲーム」 結局生き残った理由とは?
2023年に記憶に残ったゲームはなんでしたか? 『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』でしょうか? 『アーマード・コア6』でしょうか? たくさんの大作タイトルが発売された年でしたが、10年ほど前にはこういった重厚長大なゲームは「消える」といわれていました。
『パズドラ』が大人気だった頃、大作は消えるといわれていた
2023年にリリースされた、みなさんの記憶に残っているゲームはなんでしょうか。筆者は『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』に始まり、『FINAL FANTASY XVI』『ストリートファイター6』『アーマード・コア6』ときて、最後の最後は海外のRPG『バルダーズ・ゲート3』と、ゲームに明け暮れた1年でした。
2023年は大作や、やりごたえのあるタイトルがたくさんあって、じっくりゲームを遊んだ年だったと感じています。そしてそれは、少し感慨深くもあります。というのも、10年ほど前には、重厚長大な、いわゆる大作ゲームは必要とされなくなり、これからは手軽でカジュアルなゲームの時代が来るという声が少なからずあったからです。
大きな流れはふたつあり、そのうちひとつは携帯電話のSNS型ゲームプラットフォーム、いわゆるソーシャルゲームの流行です。GREE(グリー)やMobage(モバゲー)が人気を博しました。ちなみにMobageのサービス開始は2006年。当時の端末はスマートフォンではなくガラケーでしたから、本当にシンプルな操作しかできませんでしたが、それでも多くのユーザーが夢中になりました。
そしてふたつ目の流れは、スマートフォン向けゲームです。転換点は『パズル&ドラゴンズ』(以下、パズドラ)の登場でしょう。『パズドラ』はいま思えば、ゲームとしてはそれほど目新しいわけではありません。3つ以上の色をそろえる、いわゆる3マッチパズルです。しかし、タッチパネルを搭載したスマートフォンとの相性は非常に良く、大人気となりました。また、モバイル端末向けゲームの課金設定や、運営のお手本として研究される作品でもありました。
この頃、もはや重厚長大なゲームは滅びるのではないか、という声がありました。隙間時間にさっと遊べてストレスのないゲームが現代にふさわしく、「何十時間もTVの前に座り続けるゲームに未来はないかもしれない」といわれたのです。実際、『パズドラ』の後にはモバイル端末向けのアクションパズルは非常にたくさん発売されました。