「本編後に?」「全滅かよ」 ファン悲鳴の「主人公死亡」が描かれた人気アニメ
物語の中心人物である主人公は、本来であれば死ぬはずのない重要な役割ですが、作品によっては突如として死亡することもあります。今回は「主人公死亡」展開が話題になったアニメや、マンガ作品を振り返りましょう。
主人公だけでなく主要キャラもすべて死亡
マンガやアニメの展開のなかで、主要キャラが死亡して途中退場することは珍しくありませんが、物語の中心である主人公は「さすがに簡単には死なない」と思っている人も多いでしょう。その分、作中で主人公が死んでしまうと、読者や視聴者に特に衝撃を与えます。今回は、そんな「主人公死亡」展開が発生したアニメやマンガ作品を振り返りましょう。
●『美少女戦士セーラームーン』
90年代、多くの少女たちが視聴していたであろうTVアニメ『美少女戦士セーラームーン』は、主人公を含めた主要キャラがすべて死んでしまいます。
同作は5人のかわいい女の子たちがセーラー戦士に変身して、敵であるダーク・キングダムの妖魔と戦うという「勧善懲悪の変身ヒロインもの」で、ほとんどの人がそのような衝撃的なラストになることは想像していなかったでしょう。
最終話手前の「セーラー戦士死す!悲壮なる最終戦」では、主人公の「セーラームーン」こと「月野うさぎ」以外のセーラー戦士4人が、5人の妖魔「DDガールズ」によって殺されてしまいます。
そして最終話「うさぎの想いは永遠に!新しき転生」では、ダーク・キングダムの女王である「クイン・ベリル」とセーラームーンの一騎打ちになり、彼女はその戦いのなかで最愛のエンディミオン(タキシード仮面)を失うも、クイン・ベリル撃破に成功します。そのままセーラームーンも力尽き、主要キャラが全滅するのでした。
放送当時は衝撃的なラストにショックを受けた女児が続出し、TV局や新聞の投書欄に抗議や苦情が殺到したそうです。
ちなみに最後は銀水晶の力でうさぎの「普通の生活に戻りたい」という死に際の願いが叶えられ、セーラー戦士5人はダーク・キングダムと戦う前の世界に転生し、普通の学校生活を過ごします。転生前の記憶は消えましたが、その次週で『美少女戦士セーラームーンR』が始まりました。
●『幽☆遊☆白書』
2023年12月にNetflixで実写ドラマ化されたのも記憶に新しいマンガ『幽☆遊☆白書』(作:冨樫義博)も、主人公が死んでしまう作品で有名です。
まず、主人公の浦飯幽助は1話目で道路に飛び出した子供を助けようとして車の事故に遭い命を落とします。とはいっても、幽助を人間界で悪事を働く妖怪を倒す「霊界探偵」にして話を展開させるためのきっかけに過ぎませんでした。
そこから紆余曲折があって成長した幽助は、「魔界の扉編」で魔界につながる暗黒トンネルを開こうとする元霊界探偵の仙水忍と戦います。そして、幽助は胸をひと突きにされて2度目の死を迎えるのでした。
当時を振り返る読者からは、「幽助がやられたときの絶望感が半端なかった」「戸愚呂弟に勝ってるからなんだかんだ勝つと思ってただけにショックだった」などの声があがっています。幽助を死に追いやった仙水の驚異的な強さに、打ちひしがれた読者は多かったようです。
もちろん、このままバッドエンドに向かうわけはなく、魔界三大妖怪のひとり雷禅の子孫だった幽助は魔族として目覚め、最終的に仙水にリベンジを果たしています。
●『るろうに剣心』
「週刊少年ジャンプ」で連載された『るろうに剣心』(作:和月伸宏)は、199放送されたTVアニメも人気で、2023年7月に新作アニメとして『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』が放送されたのも記憶に新しいでしょう。
そんな同作は、2001年12月と2002年3月に、原作の続き(最終28巻の後)を描いたOVA『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-星霜編』の上下巻が発売されました。
『星霜編』は古橋一浩監督が自ら手がけたアニメオリジナルストーリーで、主人公の緋村剣心が幕末に「人斬り抜刀斎」として多くの人を殺めたことの贖罪をテーマにした内容になっています。あらすじは、本編終了から十数年後、贖罪のために剣心が旅に出てしまうというもので、最終的に剣心は病や記憶喪失を経て帰らぬ人となるのでした。
剣心を看病していた妻の薫も死んでしまうため、視聴者からは「重い展開が多く、まさに鬱作品」「贖罪を晴らそうとした剣心の最期は悲しいけど、本当にこれを正史にしてほしい」など賛否の声があがっていました。
ちなみに剣心の症状から、病名を「梅毒」と推測する意見もちらほらありましたが、DVD特別版の古橋監督による解説では、「各地の療養所を回っていたことが原因の架空の病気である」ことが語られています。
(LUIS FIELD)