【漫画】先輩に恋する男子大学院生の物語 視点を変えた後半に「怖い」「認識の差がリアル」
大学院生の男子は、研究室の先輩のことが好きでした。外見もきれいだけれど、まっすぐで優しい内面に惹かれていました。しかし先輩と付き合うには自分は未熟で……。理系女ちゃんさんのマンガがX(旧:Twitter)で公開され、先輩視点と後輩視点の違いが「リアル」と10万いいねの反響を集めています。
単なる恋物語ではない「人間関係の難しさ」を描く
大学院生の男子は、研究室の先輩のことが好きでした。外見もきれいだけれど、まっすぐで優しく、根暗な自分を叱ってくれたり、親身に指導してくれたりする内面に惹かれていました。しかし先輩と付き合うには自分は未熟で……。
理系女ちゃんさん(@rikejo_chan)による創作マンガ『先輩は綺麗な人だった』がX(旧:Twitter)で公開されました。一見美しい恋物語に見えますが、実はもっと奥深いテーマが込められており、考えさせられる作品として話題となっています。物語の前半は後輩の視点で先輩女子への思いが描かれ、後半は先輩の視点から見た後輩男子が描かれています。
ふたつの視点から浮き彫りになるのは「コミュニケーションの難しさ」。読者からは「甘酸っぱい恋の話と思って最後まで読んだら怖い話だった」「視点の変化でこんなにも感情が変わるものなのか」「認知の歪み好き」「描写の差がリアル」「対比にゾクッとした」「自分を客観視できてない感じ」などの声があがり、投稿には10万いいね、2.3万リポスト(リツイート)の反響が集まっています。
作者の理系女ちゃんさんに、お話を聞きました。
ーー『先輩は綺麗な人だった』のお話を描こうと思ったきっかけを教えて下さい。
大学院の研究室で人間関係のトラブルがあっても組織の性質上それが解消されにくい現状に問題意識を持ったためです。
ーー前半の後輩側の視点と後半の先輩側の視点で、まるで異なるストーリーに感じられましたが、このお話を通して伝えたかったことについて教えて下さい。
相手を尊重したコミュニケーションをとることの難しさを伝えられたらと考えています。このマンガそのものは理系大学院を舞台としていますが、理系大学院に限らず同じようなケースはどこでも(男女逆でも)起こり得ることだと思います。
ーーこのマンガを描くうえで心がけたことはありますか?
ふたりの学生の視点に焦点を置くことで、どちらかを客観的に肯定または否定するような描写を避けました。また、特定の解釈を促さない内容になるよう気を付けました。
ーーたくさんの感想が寄せられています。特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。
特定の解釈を促したくないため、特定の感想について言及いたしかねますが、引用リポストでいろんな方が各々の解釈や意見を投稿されているのを読むのは楽しいです。
ーー今後、X(旧:Twitter)で発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?
今回のような広い読者層に考えてもらえるような作品をたまに投稿しつつ、基本的には理系に興味がある人や、現在理系にいる人をターゲットとした作品を投稿していくつもりです。しばらくしたらゆるい日常系のマンガを連載することも検討しています。
(マグミクス編集部)