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【漫画】小学生へ「胸強調してるの?」男子高校生のひと言 「カバンの斜めがけ」が一生の呪いに

小学6年の頃、母に買ってもらったショルダーバッグがお気に入りだった漫画家の魚田さん。当時、初めて年上の男子高校生とのおしゃべりを経験して、少し大人になった気分を味わいます。しばらく談笑していると、ひとりの男子が魚田さんのバッグを見て……? 作者の魚田コットンさんにお話を聞きました。

大好きだったショルダーバッグが「呪い」に

たったひと言の発言がトラウマになってしまった少女(魚田コットンさん提供)
たったひと言の発言がトラウマになってしまった少女(魚田コットンさん提供)

 小学6年生の頃、お気に入りのショルダーバッグを持ち歩いていた漫画家の魚田コットンさん(@33kossan33)。ある日の夕方、学校に用事があり友達と向かうと、校庭に男子高校生のふたり組がいました。卒業生だという彼らに声を掛けられ、しばらく談笑をします。すると片方の男の子が魚田さんのバッグを見ながら、想像もしないようなことを言ってきて……?

 魚田コットンさんが『鞄の斜め掛けが怖くなった話』としてX(旧:Twitter)に掲載した『スカートの呪いが解けるまで 幼少期からの性被害が原因で女らしさ恐怖症になった私』(オーバーラップ)が話題です。今作は、自身の経験を描いたエッセイマンガです。

 いいね数は1.5万を超えており、読者からは「特に小さい頃は、こういう言葉が一生の呪いになってしまう。つらい経験をされましたね……」「社会人になってから同期に言われて、すごく嫌だったのを覚えています」「これを言われた経験がある人、割といるんだな……というのも驚き」「私も指摘されてから斜め掛けしなくなった。好きなようにさせて欲しい」などの声があがっています。

 魚田コットンさんは漫画家として活動しており、今作以外にも、エッセイマンガ『母の再婚相手を殺したかった 性的虐待を受けた10年間の記録』(竹書房)が発売中です。

 作者の魚田コットンさんにお話を聞きました。

ーー今作『鞄の斜め掛けが怖くなった話』が生まれたきっかけや、理由を教えて下さい。

『鞄の斜め掛けが怖くなった話』が生まれたのは、「はちみつコミックエッセイ」の編集長・松田紀子さんが主宰する「コミックエッセイ描き方講座」を受講したのがきっかけです。

 講座の卒業課題が、『スカートの呪いが解けるまで』というタイトルのマンガを合計12ページ提出するというものでした。そのタイトルのなかから、私がそのとき描きたいと思った場面だけを描きました。それをX(旧:Twitter)へ投稿するときに、もっとマンガの内容を分かりやすくしようと思い『鞄の斜め掛けが怖くなった話』にして投稿しました。

ーー他人にとっては何気ない言葉でも、受け取った本人のトラウマになってしまうことはありますよね。とても繊細な内容だと思いますが、今作を描くうえでこだわったポイントや、工夫したシーンなどはありますか?

 現在はかなり良くなっていて、「セクハラ」を「セクハラ」と言える世の中になってきています。ですが、私が小学生の頃である20年以上前はそうではありませんでした。男性たちが「面白い」と思って言う何気ないからかいを、女性も受け入れている描写、でもどこかモヤモヤしている描写などを入れたいと考えました。そこで、ニヤニヤする男子、それをモテてると言う女友達、嫌だけど笑って流すのが常識と思ってしまう主人公(私)という構成にしました。

幼少期のトラウマと戦う姿を描いたエッセイマンガ『スカートの呪いが解けるまで 幼少期からの性被害が原因で女らしさ恐怖症になった私』(はちみつコミックエッセイ)
幼少期のトラウマと戦う姿を描いたエッセイマンガ『スカートの呪いが解けるまで 幼少期からの性被害が原因で女らしさ恐怖症になった私』(はちみつコミックエッセイ)

ーーたくさんの感想が寄せられています。特にうれしかった感想の声、印象に残った読者の声について、教えて下さい。

 一番驚いたのが、こんなにも多くの女性が「本当は斜め掛けしたい」と思っているのに、そういう目で見られるのが嫌でできていない、と知れたことです。私だけがただただ繊細に気にしているだけじゃなかったんだと思いましたし、このマンガを描いたことで多くの人が「嫌だ」という声をあげてくれたのがうれしかったです。

ーーセクハラという言葉が一般的になった現在でも、個人の認識の差などもあり、誰でも被害者にも加害者にもなりうることだと考えさせられます。まだまだ解決しないといけない問題はたくさんありますが、改めて今作に込めた思いや、伝えたいことなどがあれば教えて下さい。

 ときどき、男性とお話していると「今は何でも『セクハラ』って言われそうで何も言えない。窮屈だ」という話を聞きます。セクハラは男性から女性だけでなく、女性から男性への場合ももちろんあります。

 どれがセクハラになるかならないかは、それこそ個人の認識の差でしょうし、相手との関係性や親密度によっても変わってくるかと思います。セクシャルな話を、安易に話題作りとして使用しないというのが一番簡単な対処法ではないでしょうか。目の前で話している相手を自分と対等な人だと思っていれば、相手を敬っていれば、いきなり性的なことをぶつけようと考えつかないと私は思います。

ーーそのほかにも、今作が収録された書籍『スカートの呪いが解けるまで 幼少期からの性被害が原因で女らしさ恐怖症になった私』(はちみつコミックエッセイ)が2024年2月15日に発売されました。あらすじや見どころを教えて下さい。

 今作は、幼少期から女の子らしさを強要されるも苦手な主人公(私)が痴漢や性虐待によって「女性らしく」すること(スカートを履いたりオシャレしたりすること)に恐怖を覚え、多感な時期にオシャレや恋愛をできなくなってしまいます。男性を信じられず、自分は汚いと思って過ごすなか、大切な人に出会い結婚し子供に恵まれても解けなかった「スカートの呪い」を解いて、あの頃の自分を救い出すお話です。

 私のX(旧:Twitter)やInstagram、ブログ、noteでも試し読みが読めますので、気になる方は読んでいただけるとうれしいです! 一番読んで欲しいところは後半の『救済』のところですので、書籍を読んでほしいです! よろしくお願いします。

ーー今後、X(旧:Twitter)で発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?

 今後はエッセイマンガを発表しつつ、創作マンガにも挑戦していけたらいいなと思っています。エッセイマンガは日常系のゆるい話が多くなるかと思いますが、どちらも今後とも見ていただけるとうれしいです。

(マグミクス編集部)

【マンガ本編】小学生へ、男子高校生のセクハラ発言 「斜めがけバッグ」が一生の呪いに

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