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『夜は短し歩けよ乙女』地上波放送 湯浅監督作品の「食わず嫌い」が克服できる?

湯浅政明監督の「食わず嫌い」はこれで克服

映画『夜明け告げるルーのうた』 (C)2017 ルー製作委員会
映画『夜明け告げるルーのうた』 (C)2017 ルー製作委員会

 湯浅監督のアニメーションならではの自由奔放な動きは、目を見張るものがあります。『夜明け告げるルーのうた』で人魚のルーが音楽に合わせて踊るシーン、オリジナル劇場映画『きみと、波にのれたら』(2019年)のクライマックスのサーフィンシーンには圧倒されます。

 その反面、天才肌すぎるせいか、一般的な知名度はまだ高いとは言えません。萌え系アニメとは異なる、クセのあるキャラクターデザインも好き嫌いが分かれるところでしょう。

 その点、『夜は短し歩けよ乙女』は、湯浅作品が食わず嫌いだった人でも、あまり抵抗なく受け入れることができる作品となっています。キャラクター原案は、原作小説の装丁を飾った人気イラストレーター・中村佑介氏が担当。ちょっとノスタルジックな中村佑介氏の画風と、京都の歴史ある街の雰囲気がうまくマッチしています。ヒロインである「黒髪の乙女」が赤いダルマのコスプレ姿で参加するミュージカルシーンは、とてもラブリーなものになっています。

 主人公は京都の大学に通う、男子学生の「先輩」(CV:星野源)です。先輩は同じクラブに所属する後輩「黒髪の乙女」(CV:花澤香菜)に想いを寄せ、近づくチャンスを狙っています。ところが百鬼夜行のごとく現われる奇人変人たちによって、ことごとく邪魔をされてしまいます。

 謎の老人・李白、古本市の神様、パンツ総番長など、個性的なキャラクターぞろいですが、描かれるエピソードは「片想いあるある」ばかりなので、共感できるシーンは多いと思います。最後には細かい小ネタがすべて物語の伏線として回収され、ほっこりした気分にさせてくれます。

 本作が気に入った人は、湯浅監督が作家の森見登美彦氏と初タッグを組んだTVシリーズ『四畳半神話大系』(フジテレビ系)も、ぜひチェックしてみてください。『夜は短し歩けよ乙女』と同じく京都を舞台にしており、パラレルワールド的な世界観を楽しむことができます。湯浅監督の奔放なイマジネーションには驚くばかりです。

【画像】新作『映像研には手を出すな!』ほか、名作ぞろいの湯浅監督作品(5枚)

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