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原作者がアニメ主題歌の「作詞」「作曲」…えッ「歌」まで担当? 稀有な例とは

アニメ主題歌の「作詞」を原作者が担当することは多々ありますが、なかには「作曲」そして「歌唱」まで担当したケースもあるようです。どういうことなのでしょうか?

島本先生なら「やりかねない?」 本人が「歌唱担当」は嘘か誠か?

「炎の転校生 CD SPECIAL DX」(ポニーキャニオン)
「炎の転校生 CD SPECIAL DX」(ポニーキャニオン)

 昨今、映像作品とその原作者との関係が大きく注目されています。原作者の「関わり方」は作品によって千差万別ですが、アニメ業界では昔から主題歌の作詞を原作者が担当することがよくありました。

 たとえば、現在も放送中の『ドラえもん』の「ぼくドラえもん」は藤子・F・不二雄先生が、『ちびまる子ちゃん』の「おどるポンポコリン」はさくらももこ先生がそれぞれ作詞を担当しています。どちらも作品世界をそのまま歌詞に落とし込んだような世界観が、原作とアニメの橋渡しをしてくれています。

 さて、なかには原作者がアニメ主題歌の「作詞」に留まらず「作曲」、はたまた「歌唱」まで手がけている、と巷で噂されている作品があります。

 それが『炎の転校生』(原作:島本和彦)です。

 島本和彦先生といえば、言わずと知れた「日本一熱い漫画家」です。『吼えろペン』『逆境ナイン』『アオイホノオ』など数多くの作品を手がけ、切れ味、スピード感抜群の「熱血」と「ギャグ」を織り交ぜた作風で知られています。また、メディア出演の際はまるで自身の作品から飛び出してきたような情熱あふれる人柄で、とにかくマンガファンを惹きつけてやまない方です。

 さて『炎の転校生』は、「週刊少年サンデー」で1983年に連載が始まった初期作品でした。こちらが1991年にガイナックス制作で、OLA(オリジナルレーザーアニメ)版が発売されました。そのときの主題歌のクレジットには、間違いなく「作詞・作曲 島本和彦」とあります。「作詞」ならまだしも、「作曲」とはいったい、どういうことでしょうか。島本先生がノリノリで引き受けてしまったのでしょうか。

 こちらの経緯に関しては、半自伝的マンガ『燃えよペン』で描かれたところによると(主人公の炎尾燃と島本先生を安易に同一視してはいけないのですが)、アニメ主題歌の作曲が難航し、急遽作者のイメージを吹き込んでもらう体裁でお鉢が回ってきたとのことでした。少なくとも、「ノリノリ」ではなかったのです。

 さらにネット上では、島本先生が主題歌の「歌唱」も担当しているという噂があります。これに関しては、クレジットに主人公の滝沢昇を演じた関俊彦さんの名前が記載されており、事実と異なっています。では単なるデマなのかといえば、そうならないのが島本先生です。

実は、島本先生は「作曲」する際に、楽器が扱えなかったためデモテープにいきなり自身の「生歌」を吹き込むという手法を採っていたのです。つまり、作詞・作曲、そして歌唱もしていたことは事実でした。

 さらに、そこから紆余曲折を経てついにサウンドトラック「炎の転校生 CD SPECIAL DX」内で、正式に島本先生による歌唱がレコーディングされた主題歌が収録されたのです。オフィシャルで原作者が「作詞」「作曲」「歌唱」を担当している主題歌がリリースされた、実に稀有なケースでした。

 なお島本先生はドラマ版『アオイホノオ』、映画版『逆境ナイン』でもゲスト出演を果たしています。島本先生のなかにはさまざまな葛藤があるとはいえ、ファン目線では原作者として理想的な関わり方を提示してくれているように見えるのでした。

(片野)

【画像】え…っ? 「滝沢昇は鹿賀丈史が演じる校長先生に」「7人のオリキャラ?」 これが30年以上経って実写で作られた『炎の転校生』の新たな物語です

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