『ガンダム』カツ、レツ、キッカのその後って? すっかり大人の顔したキッカの姿も
「ホワイトベース」のお子様3人組、カツ、レツ、キッカは、『ガンダム』で描かれた一年戦争後、どのような人生を歩んだのでしょうか。アニメで描かれたカツのほか、2024年2月現在は大人になったキッカが主人公のマンガ作品も連載中です。
ワンセットだった3人の運命が分かたれたのは…?
アニメ『機動戦士ガンダム』(1979年)の、いわゆる主役機の母艦になる地球連邦軍艦艇「ホワイトベース」には、おなじみ「カツ」「レツ」「キッカ」の、3人の幼い子供が乗っていました。それぞれフルネームは「カツ・ハウィン」「レツ・コ・ファン」「キッカ・キタモト」といい、物語冒頭でスペースコロニー「サイド7」がジオン公国軍の襲撃を受けた際に、「ホワイトベース」へ逃れてきた難民の孤児です。そうして本作の主人公「アムロ・レイ」たちと行動を共にすることとなり、一年戦争を生き延びました。
戦後、その「ホワイトベース」のクルーだった「ハヤト・コバヤシ」と「フラウ・ボゥ」が結婚した際に、3人は彼らの養子となります。それから3人は、どのような人生を送ったのでしょうか。
3人は、一年戦争の7年後を描くアニメ『機動戦士Zガンダム』(1985年)の第13話「シャトル発進」で再登場し、フラウに連れられアムロのもとを訪れます。その頃、アムロは地球連邦軍に危険分子として見られており、軍の北米シャイアン基地に勤務しつつ、軍からは事実上の半幽閉状態におかれていました。
それまでワンセットだった3人の運命は、この訪問をきっかけに分かれていきます。第14話「アムロ再び」にて、フラウたちを見送ろうと空港まで出向いたアムロは、地球連邦軍の監視役の目を盗み、カツと一緒に輸送機で逃走しようと企てます。これにキッカが「なら、一緒に行く」と申し出ますが、アムロに「ダメだ。お義母さんはふたりで守らなくちゃ。赤ちゃんだっている」と諭され、レツとキッカは同行することを諦めました。
こうしてあとのふたりと別れたカツはその後、パイロットとして活躍するようになります。話は前後しますが、上述のように半幽閉状態で気力を失っていたアムロに対し、「地下にモビルスーツが隠してあるとくらい言ってください!」と、戦いに参加しろと発破をかけるような、年上の男性相手でも物怖じしない少年に成長していたのでした。
空港を脱出したのちカツは、アムロとともに反ティターンズ組織「カラバ」へ、続いて反地球連邦組織「エゥーゴ」へ参加し、「ヘンケン・ベッケナー」が艦長を務める宇宙戦艦「ラーディッシュ」に配属されます。そこで、エゥーゴのモビルスーツ「ネモ」や「メタス」などへの搭乗を経て、「ガンダムMk-II」の強化パーツ「Gディフェンサー」のパイロットを務めました。
同作の第49話「生命散って」では、エゥーゴと敵対する組織「ティターンズ」の「ヤザン・ゲーブル」が搭乗するモビルスーツ「ハンブラビ」たちと交戦します。カツは「Gディフェンサー」を、エゥーゴ所属の「エマ・シーン」が乗る「ガンダムMk-II」とドッキングさせた後、戦線離脱せずに脱出用のコックピットで戦闘を継続しました。
「ハンブラビ」の背中に装備されたビーム・ライフルの攻撃を、余裕をもってかわすほどの力量を見せたカツは、しかし戦闘中によそ見をしてしまい、浮遊していた岩石と衝突します。さらにヤザンの攻撃でとどめを刺されると、カツの機体は宇宙空間をさまよい、そのまま艦船の残骸に突入し爆散してしまったのでした。