ファミコンのディスクシステムにあった「謎の端子」 幻になりかけた「任天堂の構想」が?
1986年2月21日に誕生した「ファミリーコンピュータ ディスクシステム」に搭載されていた「謎の端子」とは?そこに接続できるはずだった周辺機器は未発売に終わりましたが、当時の任天堂の壮大な構想が隠されていました。
生誕38周年のディスクシステムに”謎の端子”が……?

家庭用ゲーム市場の礎を築き上げた「ファミリーコンピュータ」(以下、ファミコン)の周辺機器として、「ファミリーコンピュータ ディスクシステム」(以下、ディスクシステム)が1986年2月21日に発売されました。ここから『ゼルダの伝説』や『悪魔城ドラキュラ』など、ジャンルを問わずさまざまな名作ソフトが誕生しました。
ディスクシステムのゲームを遊ぶときは、ファミコン本体とディスクドライブを「RAMアダプタ」で接続し、ファミコンの電源をオンにしてからゲーム作品のデータが書き込まれた「ディスクカード」をディスクドライブに挿入しました。
この接続に使われた「RAMアダプタ」には、周辺機器を接続するための「端子」が備わっていました。実際に遊んでいても、この端子には気づかなかった……という人もいるかもしれません。実はこの端子を使う機器は、最後まで発売されることはなかったのです。
いったい何のために作られた端子だったのか。生誕38周年を迎えたディスクシステムの振り返りもかねて、「謎の端子」にまつわるエピソードを紹介します。
ディスクシステムの通信用端子につながる「はず」だった周辺機器……その正体は、ネットワーク構築に必要な通信アダプター「ディスクファックス」でした。というのも、任天堂は1980年代半ばに、各家庭のファミコンを通してソフトのダウンロードが行える「ファミリーコンピュータ・ネットワークシステム」を想定していたのです。
アミューズメント通信社による業界紙「ゲームマシン」1985年9月15日号によると、任天堂(当時)は「NTT側の大型コンピュータにファミコン用ソフトをインストールしておき、各家庭からそのコンピュータへアクセス。家庭にいながらソフトのダウンロードが行えるようにする」と表明。また別の使い方として、「アニメーションやサウンドを用いたファミコン間でのメッセージ交換」なども考えられていたようです。
任天堂は数十年も前に、現代のオンラインサービスに通じる構想を抱いていたのです。しかし諸事情が噛み合わなかったのか、ディスクシステム向けの通信アダプタが発売される日はとうとう訪れませんでした。






