『シン・ウルトラマン』と『エヴァ』まるごと楽しむ基礎知識。三部作はどこに向かう?
興収82.5億円という大ヒットを記録した『シン・ゴジラ』(2016年)の庵野秀明&樋口真嗣監督によるタッグ作『シン・ウルトラマン』のビジュアルが話題を呼んでいます。カラータイマーのない、シンプルなデザインです。ファンの頭をモヤモヤさせていた問題を、『シン・ウルトラマン』は解消してくれるのでしょうか。
成田亨デザインへの原点回帰

ウルトラマンといえば、1966年に『ウルトラマン 空想特撮シリーズ』(TBS系)が放映されて以来、日本が誇るスーパーヒーローとして絶大な人気があります。2021年には庵野秀明(企画・脚本)&樋口真嗣(監督)コンビによる『シン・ウルトラマン』の劇場公開が予定されています。『シン・ゴジラ』(2016年)を大ヒットさせたコンビだけに、とても楽しみです。
2019年12月14日には、『シン・ウルトラマン』に登場するウルトラマンのビジュアルが初めて公開され、注目を集めました。メタリックシルバーと赤のカラーリングは従来のイメージどおりですが、かなりのスレンダー体型です。しかも、ウルトラマンの胸についていたカラータイマーがありません。
初代ウルトラマンをデザインした美術担当の成田亨氏は、もともとはカラータイマーのないウルトラマンをイメージしていたそうです。ドラマを盛り上げるためのギミックとして、制作段階になってからカラータイマーは後付けされたのでした。成田氏はカラータイマーを嫌っていたといわれています。
『シン・ウルトラマン』に登場するウルトラマンは、成田氏が1983年に描いた絵画「真実と正義と美の化身」をコンセプトにした、とてもシンプルな造形となっています。カラータイマーのほかにも、眼の部分の覗き穴、スーツ着脱用ファスナーに伴う背びれもついていません。『シン・ゴジラ』のゴジラと同様に、これまでの着ぐるみではない、CG表現による新しいウルトラマンとして動く姿を見せることになりそうです。