一部で「ダサい」と言われていた『ブンブンジャー』 放送後の反応は「戦隊あるある」?
2024年3月3日(日)午前9時30分から、新たなスーパー戦隊シリーズ『爆上戦隊ブンブンジャー』の第1話が放送されました。毎年新たな戦隊ヒーローが生まれ、シリーズは48作品目になります。そんな同作は一部で「ダサい」と言われていたようです。
新たなスーパー戦隊シリーズは「ダサい」!?

新たなスーパー戦隊シリーズ『爆上戦隊ブンブンジャー』が2024年3月3日(日)から放送中です。シリーズ48作品目となる同作の発表が行われたのは、2023年末の12月22日でした。それと同時にメインキャラクターとなるブンレッド、ブンブルー、ブンピンクの3人のティザービジュアルも公開されています。
スーパー戦隊ファンにとっては期待に胸が躍る瞬間ですが、このビジュアルが解禁されて以降、ネット上ではある意見が出てきました。それが、「新しいスーパー戦隊はダサい」というものです。
まずは、新しいスーパー戦隊がなぜ「ダサい」と言われるのか? ネット上の意見をもとにその理由を振り返りましょう。
その理由のひとつ目が「マスク」です。顔がそのままタイヤのホイールになっている、斬新なデザインですが、受け入れられないという人も多いようです。
理由のふたつ目が「スーツ」です。これまでのスーパー戦隊と比べるとかなりシンプルでスタイリッシュなデザインのスーツですが、これがかえって「スーツ感まるだし」といった印象を与えているのかもしれません。
理由の3つ目が「名前」で、『爆上戦隊ブンブンジャー』という名前が受け付けないという意見も多くありました。車がモチーフなのも分かりやすく、子供たちにとってはかなり親しみやすい名前の印象ですが、ブンブンという「オノマトペ」自体にそもそもダサさを感じている人もいるようです。
そのほか、「どこか昭和感がある」「敵が『ハシリヤン』というのも…」「予算がないのか」といった意見も見られ、総括するとシンプルで子供にも親しみやすいデザインや名前が大人のフィルターを通して見てしまうと、「チープさ」や「ひねりのなさ」に感じてしまうのかもしれません。
そんな、前評判では「ダサい」と言われていたブンブンジャーですが、第1話放送後には「ダサいけど面白い」「動くとカッコいい」と評判は上々でした。特撮、戦隊好きのなかではあるあるな、「最初はダサく見えたけど、実際に敵と戦っている姿には童心に帰って憧れてしまう」現象が起こっています。
そもそも、これまでのスーパー戦隊シリーズのなかでも、「ダサい」と言われてきた戦隊はいます。例えば、1995年~1996年にかけて放送された『超力戦隊オーレンジャー』は、タレントのさとう珠緒さんのデビュー作としても有名な作品ですが、同作も「マスクがダサい」と言われているスーパー戦隊のひとつです。
しかし、オーレンジャーは商業的には大成功を収めており、歴代戦隊のなかでも高い玩具売上高を記録している作品です。
また、2009年から2010年にかけて放送された『侍戦隊シンケンジャー』も「ダサい」と言われているスーパー戦隊でした。俳優の松坂桃李さんがレッドを務めたことでも有名な作品ですが、当時は顔に漢字が書いてある斬新なビジュアルを受け入れられない人もいたようです。
そんな『シンケンジャー』も、放送後には見事な殺陣のアクションシーンや誰もが抱える心に秘めた苦悩や葛藤、仲間との絆など重厚感のあるストーリー展開が視聴者の心を打ち、ネット上で実施されたいくつかのアンケート調査でも、2000年代に放送されたスーパー戦隊のなかではトップを獲得するなど、根強い人気を持つ作品となっています。
過去の例にもあるように、最初は「ダサい」と思っていても、1年間を通して見れば、キャラクターの成長や思いもよらないストーリー展開など、最後には「観ていてよかった」と思わせてくれるのが、特撮作品の素晴らしいところです。
まだまだ始まったばかりの『爆上戦隊ブンブンジャー』も、きっと歴代のスーパー戦隊シリーズ同様、「ダサい」という前評判をはねのけ、多くの人を楽しませる作品になるでしょう。
(荒木敬朗)