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「シャアになれなかった」男たち ライバル役ながら…彼らには何が足りなかったのか?

「ガンダム」シリーズでライバルキャラとして誰もが一番に挙げる「シャア・アズナブル」。そのネームバリューゆえに、後続のライバルキャラクターたちはどうしてもシャアの影響下から抜け出せずにいました。

どうしてライバルキャラはポストシャアを目指したのか?

シリーズの顔のひとり、シャア・アズナブル。「シャア・アズナブルぴあ 特別編」(ぴあ)
シリーズの顔のひとり、シャア・アズナブル。「シャア・アズナブルぴあ 特別編」(ぴあ)

「ガンダム」シリーズのライバル役としてもっとも有名な「シャア・アズナブル」。単なるライバルにとどまらず、その人気も知名度も高い「シリーズの顔」ともいえるキャラクターです。そのようなシャアを目指しながらも、あと一歩届かずに苦汁をなめたライバルキャラもいました。

 シャアというキャラクターは、もともとロボットアニメに登場することが多い「美形キャラ」として設定されたものです。主人公の好敵手という存在は、当時のロボットアニメでは定番の人気キャラクターでした。シャアという名前も、『勇者ライディーン』のプリンス・シャーキンから引用されたといわれています。

 しかし、シャアの人気は従来の美形キャラ以上のものになっていきました。これは『機動戦士ガンダム』という作品人気により、従来の美形キャラ以上の認知度を得たからでしょう。その結果、現在では前述したようにシリーズの顔ともいうべき存在にまでなりました。

 こういった前例があると、スタッフとしても「二匹目のどじょう」をどうしても考えるものです。意図したのかそうでないのかはわかりませんが、以降の「ガンダムシリーズ」では、どこかシャアを意識したライバルが生まれていくことになりました。順を追って見ていきましょう。

ゲームブックでは主役も努めたジェリド・メサ(右)。画像はDVD「機動戦士Zガンダム Volume.3」(バンダイナムコフィルムワークス) (C)創通・サンライズ
ゲームブックでは主役も努めたジェリド・メサ(右)。画像はDVD「機動戦士Zガンダム Volume.3」(バンダイナムコフィルムワークス) (C)創通・サンライズ

 まずはシリーズ第2作目となった『機動戦士Zガンダム』に登場した「ジェリド・メサ」です。あまりシャアのイメージはありませんが、パーソナルエンブレムが「赤い星」という点を考えれば皆無というわけではないでしょう。

 ジェリドはシャアの後継者として考えられたというよりも、当時の富野由悠季監督作品に登場することの多かった「愛着の持てるライバルキャラ」といった印象のキャラクターでした。敵役ながらも物語が進むにつれて成長していくキャラクターであり、主人公とは光と影のような関係でもありました。

 2024年現在ではあまり評価されることがないものの、作品当時の人気は高い部類に入るキャラクターだったと思います。これは主人公である「カミーユ・ビダン」の、序盤に見せた数々のエキセントリックな言動を受け入れられる人が当時は少なく、その反発としてジェリド人気につながったと考えられるかもしれません。

 もっともカミーユは徐々に成長することでファンから理解されていき、終盤には人気キャラクターとして不動の地位を築くことになります。このあたりは放送当時の肌感覚で申し訳ありませんが、序盤と終盤とで、カミーユの評価には雲泥の差がありました。

 そのような点では、ジェリドはカミーユの良い引き立て役になったということでしょうか。カミーユの成長によって、中盤以降のジェリドの見せ場はあまり評価できるようなものになりませんでした。

 一方で当時、販売されたゲームブック『機動戦士Zガンダム ジェリド出撃命令』では、タイトル通り主役として活躍しています。また、第30話「ジェリド特攻」で死亡する予定が、ファン人気から延命されたという逸話を考えると、一定層からの支持があったキャラクターだったのは間違いないでしょう。

【画像】引き立て役とか言うな! こちらがジェリドの乗り継いだMS/MAです(11枚)

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