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映画『ウルトラマンZOFFY』がシリーズを現在までつなげたといえるワケ 公開から40年

ウルトラ兄弟の長兄「ゾフィー」の名を冠する映画『ウルトラマンZOFFY』公開から40年が経過しました。オムニバス映画ながら大胆な編集と構成で見応えある作品です。その魅力について振り返ってみましょう。

ウルトラ兄弟の長兄「ゾフィー」の晴れ舞台だった劇場公開作品

BANDAI SPIRITS「S.H.Figuarts ゾフィー」 (C)円谷プロ
BANDAI SPIRITS「S.H.Figuarts ゾフィー」 (C)円谷プロ

 本日3月17日は、1984年に劇場用映画『ウルトラマンZOFFY ウルトラの戦士VS大怪獣軍団』が公開された日です。今年(2024年)で公開から40年になりました。本作は、それまで作品タイトルになったことのないウルトラ兄弟の長兄「ゾフィー」が、進行役となったオムニバス映画です。

 ゾフィーは1966年から翌67年にかけTV放送された『ウルトラマン』の最終回(第39話)に初登場したキャラクターで、後に「ウルトラ兄弟」という、「ウルトラマン」たちをグループ化した際に、その長男として設定されました。このウルトラ兄弟という設定が、1971年に始まる第二期ウルトラシリーズ(『帰ってきたウルトラマン』『A』『タロウ』『レオ』)を盛り上げた要素のひとつだったと言っても過言ではないでしょう。

 ほかのウルトラマンと違って主役の作品を持たないがゆえに、ゾフィー本来の実力は未知数ですが、逆にその存在から「強いに違いない」と思わせるキャラクターでした。それゆえにウルトラシリーズの新作がなかった時期に発表されたコミカライズでは、ゾフィーを主役に据えたマンガが多く発表されています。

 内山まもる先生の『さよならウルトラ兄弟(後にザ・ウルトラマンに改題)』、かたおか徹治先生の『ウルトラ兄弟物語』、居村眞二先生の『ウルトラ兄弟物語 ウルトラ超伝説』(いずれも小学館)などがそうでした。主役でなかったがゆえに実力が未知数で、「最強」と思われたウルトラ戦士、それがゾフィーでした。

 冒頭に挙げた映画では初めてゾフィーをフィーチャーした主題歌も作られ、そのキャラクターにスポットがあたったわけです。しかし、どうして1984年というウルトラシリーズ空白期に、突然、劇場版が製作されることになったのでしょう。それには当時の世相が関係していました。

 1980年代初頭くらいから怪獣や特撮メカニックの無発泡ウレタン樹脂製キット、いわゆる「ガレージキット」が静かなブームとなります。いわゆるメーカーではなく、模型店規模で制作されたこのガレージキットは、従来のメーカーから出た立体物とは一線を画した高いクオリティで人気を得ました。

 この静かなブームにメーカーも目を付け、「REAL HOBBY SERIES」というリアルな怪獣フィギュアが商品化されます。そして、これをより一般的な形としたのが、従来のソフビ人形よりもリアルな造形となった「ウルトラ怪獣シリーズ」という商品でした。

 このウルトラ怪獣シリーズが、ウルトラシリーズの新作がない時期にも関わらず子供たちから好評を得て、ブームのきっかけとなったわけです。この流れからウルトラシリーズの劇場版製作となりました。

 怪獣のソフビ人形はいつの時代も子供には大人気のオモチャです。かつても大きなヒットとなりましたが、このウルトラ怪獣シリーズはそれまでのシリーズと違う点がひとつありました。それは1983年の発売から途切れることなく、現在も販売されているシリーズにつながることです。

 途中でリニューアルもしましたが、今日まで販売を続けているという点では過去の怪獣ソフビとは一線を画していました。そしてウルトラシリーズを商業面から支える、なくてはならない存在となっています。

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