地上波放送から10年以上… 隠れた「ジブリ」の名作3選「美麗すぎ」「エモい」
ジブリ作品といえば「金曜ロードショー」でたびたび放送されるイメージですが、なかには、長い年月が経っても放送されていないものも存在します。今回は、「再放送を熱望するジブリの名作」を振り返りましょう。
映画ではなく「スペシャルアニメ」として放送された名作
2024年3月11日、2023年7月に公開された宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』が「アカデミー賞長編アニメーション賞」に選ばれたことで、再び「スタジオジブリ」に注目が集まりました。ジブリ映画といえば日本テレビ系列の「金曜ロードショー」で数々の作品が放送されており、話題作の『君たちはどう生きるか』に対しても「早く放送されないかな」「改めて観たい」との声があがっています。
「金曜ロードショー」ではジブリ作品をまんべんなく放送している印象ですが、実は名作にもかかわらず約10年も配信されていない作品も見受けられます。今回は「再放送を熱望するジブリの名作」を振り返りましょう。
●『海がきこえる』
1993年5月5日に日本テレビ系で放映されたTVスペシャルアニメ『海がきこえる』は、『めぞん一刻 完結篇』『きまぐれオレンジロード あの日に帰りたい』などを手がけた望月智充さんが監督を務めました。ジブリ作品としては初めて外部の演出家が手掛けた作品で、氷室冴子さんが手がけた同名の青春小説を原作にしています。
東京の大学に進学した青年、杜崎拓(もりさき たく)は、駅で高校時代に気になっていた同級生の武藤里伽子(むとう りかこ)らしき人物を見かけ、そこから彼女と過ごした高校時代のことを思い出します。
高校時代、親友が才色兼備な里伽子にホレており、拓は里伽子と距離を置いていました。しかし、高3のハワイへの修学旅行でお金を貸したことを機に拓と里伽子の距離が
縮まっていくのです。
ジブリの青春作品といえば『耳をすませば』が有名ですが、2011年7月以降、「金曜ロードショー」で放送されていない『海がきこえる』も隠れた名作としてファンの間で人気を集めています。
ジブリでは珍しいファンタジー要素の含まれない作品で、「ジブリ作品らしくないノスタルジックな絵と音楽も相まって、青春特有のほろ苦い雰囲気を際立たせている」「古い作品かもしれないけど、Z世代にも通ずる青春がある」といった意見があがっていました。
子供たちも一緒に楽しめるジブリのイメージとは少し異なりますが、青春作品としての完成度は高く、なかでも懐かしさが込み上がるようなセンチメンタルな気分を堪能したい人にとって最適な作品ではないでしょうか。