「死体だったよね?」「まさかの黒幕」 絶対死んだと思ったら生きてたキャラたち
死んだと思っていたキャラが復活して活躍するのは、バトルマンガではお馴染みの展開です。信じられない状況から生還したキャラのインパクトは大きく、いつまでも記憶に残っています。今回は、そんな絶対死んだと思ったのに生きていた、まさかのキャラを紹介します。
丸焦げになった上に…
バトルマンガでは、死亡したと思ったキャラが復活する展開はそれほど珍しくありません。しかし、そのなかにも多くの読者予想を裏切って復活、生還を果たし、衝撃を与えたキャラもいるのです。今回は、そんな絶対死んだと思ったのに生きていた、まさかのキャラを紹介します。
●アルミン・アルレルト『進撃の巨人』
人気マンガ『進撃の巨人』では、主人公・エレンの親友で主要キャラのひとりであるアルミンが、「ウォール・マリア最終奪還作戦」で、死んだと思われる状況からまさかの復活を果たしました。
王政を打倒して革命を果たした調査兵団は、巨人に奪われた領土を取り戻すため、そして巨人の秘密があるとされるエレンの家の地下室に入るために、「ウォール・マリア最終奪還作戦」を開始します。そんな調査兵団の前に、「鎧の巨人」のライナーや「超大型巨人」のベルトルトに加え、多数の「無垢の巨人」を従えた「獣の巨人」が立ちふさがりました。
戦いの結果、調査兵団が3体の敵巨人を打ち破り、ウォール・マリアの奪還に成功します。しかし、戦いの内容は苛烈を極め、多くの団員が犠牲になりました。そして、アルミンも、超大型巨人の高温蒸気を浴び続けて、全身に重度の火傷を負います。
髪や唇が焼け落ち、丸焦げになったアルミンは、エレンからも死んでいると思われるほどのひどい状態でしたが、戦いが終わった時点では微かに息があり、唯一捕縛しているベルトルトを食べさせて巨人にすれば、復活できる状況でした。しかし、ここで死んだと思われていたエルヴィン団長が、瀕死の状態で運ばれてきたのです。
エルヴィンかアルミンのどちらかしか助けられず、その選択を託されたのはリヴァイ兵士長でした。エルヴィンと苦楽をともにしてきたリヴァイなら、エルヴィンを復活させると予想する場面ですが、リヴァイの選択はアルミンの復活です。
アルミンは丸焦げになって死んだと思ったところから、さらに圧倒的に不利な判断にかけられる、二重の生死の境を乗り越えました。「ウォール・マリア最終奪還作戦」という大きな山場で、アルミンが勇者として死ぬ舞台は整っており、死亡フラグのようなセリフもあったので、復活したことに驚いた方も多かったのではないでしょうか。
●加藤清澄『刃牙』シリーズ
人気格闘マンガ『刃牙』シリーズに登場する加藤清澄は、「神心会のデンジャラス・ライオン」の異名を持つ空手家で、実戦で鍛えた喧嘩空手を得意としています。そんな加藤は第2部『バキ』の「最凶死刑囚編」で、死刑囚のひとりであるドリアンと戦い、一時は完全に死んだと思われていました。
愚地独歩にターゲットを絞ったドリアンは、ワイヤーやガソリン、さらには手榴弾まで用いるまさに何でもありの戦闘スタイルで、神心会に喧嘩を売ります。そんなドリアンのアジトを突き止めた加藤は、単身で戦いを挑みました。しかし中国拳法の「海王」の称号を持つドリアンは、ただでさえ実力で上回る加藤を相手に、ガラス瓶の破片や催眠術まで駆使して圧倒し、最後はアラミド繊維のワイヤーで彼の首を切り裂いてとどめを刺したのです。
翌日、加藤は神心会道場でサンドバッグに詰め込まれた状態で発見されます。大怪我から何時間も経っている状況で傷跡からの出血も止まっており、白目をむいてピクリとも動かない描写から、さすがに加藤は「死体で発見された」と思われました。死後数時間は経っているようにも見えます。しかし、次の回では生死の境をさまようほどの重症ながら、加藤が一命をとりとめたことが描かれるのです。
明らかに致命傷の首の出血に加え、死刑囚のドリアンが殺しをとまどうキャラではないこともあって、加藤の生存は驚きの展開でした。その後、意識のないまま車椅子で遊園地まで運ばれた加藤は、闘争本能のみでドリアンに襲い掛かり、いったんはドリアンに敗北を認めさせる闘志を見せたのです。
●フェイスレス『からくりサーカス』
「死んだふり」で読者や登場人物をだましたキャラは多々おり、なかには再登場時のポジションが予想外だった人物もいました。人気マンガ『からくりサーカス』に登場するフェイスレスは、中盤の決戦で味方を守って死亡したと思ったら、まさかの「黒幕」として再登場したキャラです。
フェイスレスは「ゾナハ病」を世界に撒き散らす「自動人形(オートマータ)」の破壊を目的とした集団「しろがね」の中心人物で、志願者に強化改造を施し彼らのリーダーも務めており、フェイスレス司令とも呼ばれていました。
そんなフェイスレスは「しろがね」と「自動人形」たちとの決戦で、回転粉砕機から主人公の加藤鳴海を救うため、自らの身体を歯車に噛ませて死亡します。そして、彼が再登場したのは決戦が終わり、物語の視点が鳴海からもうひとりの主人公である才賀勝に移ってしばらく経った後でした。
「白金、ディーン・メーストル、才賀貞義、フェイスレス指令。全員、同じ人間。君らにゾナハ病と災厄をばら撒いた男だよーん!」
フェイスレスはかなり複雑な過去編が描かれた後、才賀貞義の記憶を転送されたと疑われた勝が、祖父の才賀正二に殺されようとしている時に現れました。そして、自らが「しろがね」と「自動人形」の因縁を生み出した元凶で、300年以上昔から精神を引き継いで別の人間として活動してきたことをバラしたのです。
死んだと思っていたフェイスレスが復活したことも驚きでしたが、それ以上に最悪の黒幕の登場に衝撃を受けた場面でもあります。その後、フェイスレスは邪悪な笑顔で「夢はいつか必ず叶う…」などの名言を残し、伝説的な悪役となりました。
(SU_BU)