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「意味深」「伏線の補強?」 高評価な『フリーレン』のアニオリ描写 2クール目でさらに深みが

『葬送のフリーレン』は原作マンガの時点で高く評価されている作品ですが、アニメシリーズでは、そんな原作の余白を埋めるようなオリジナル描写が加わり、物語にさらなる深みが与えられています。いったいどのような演出が追加されているのか、今回は第2クールに登場したアニオリ描写に注目してみました。

“ラントを威嚇する猫”が示唆するものとは?

画像は『葬送のフリーレン』一級魔法使い試験編キービジュアル (C)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会
画像は『葬送のフリーレン』一級魔法使い試験編キービジュアル (C)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

 原作にはないアニメオリジナルの描写、いわゆる「アニオリ描写」は、かねてよりファンの間で議論の的にされてきました。そんななか、原作ストーリーの流れを崩さず、なおかつ物語を深めるアニオリ描写が評価されている作品が『葬送のフリーレン』です。

 現在放送中の第2クールは、主に「一級魔法使い試験編」のエピソードが展開されており、フリーレンとフェルンが「一級魔法使い」の資格を得るための試験に挑戦します。一気に主要な登場人物が増えるエピソードで、クセの強い魔法使いたちのキャラクター性も見どころのひとつといえるでしょう。

 そしてアニメ第22話では、一級魔法使い試験の第1次試験と第2次試験の間を繋ぐ、いわゆる日常回のようなエピソードが描かれました。この回では第1次試験を突破した魔法使いたちの日常が掘り下げられることになり、とくに理知的な眼鏡の魔法使いであるラントにまつわる描写が注目を集めました。

 ほかの合格者と馴れ合わず、ひとりでオイサーストの街を歩いていた際、路地裏で子猫の鳴き声を耳にしたラントは、柄にもなく心配したのか、子猫に一歩近寄ります。しかし親猫はすぐそばにいたようで、猫の親子はすぐさま合流を果たすのでした。

 最後は親猫から威嚇されて終わるのですが、猫の親子を見るラントはどこか人間味のある表情を浮かべており、「意味深な描写」として話題になりました。もともと彼は喜怒哀楽をまったく表に出すことがないうえに、出自やバックボーンについても謎が多く、最近の原作エピソードにてようやく情報が明かされ始めた程度です。原作ファンにとって、興味深いワンシーンだったことは間違いないでしょう。

 また第23話からは第2次試験に突入し、フリーレンを始めとした魔法使いたちが「零落の王墓」と呼ばれるダンジョンの攻略を目指しました。それぞれの魔法使いの特性をコピーした「複製体」が敵として立ちはだかるシーンでは、原作と比べて大幅に改変されたことで戦闘シーンの迫力が増しました。

 例えば宮廷魔法使いのデンケンたちが、中華娘っぽい魔法使いラオフェンの複製体を倒す場面は、原作ではほとんど戦闘描写が省略されるなか、アニメ版では彼らがどのように複製体を倒したのか、はっきり描かれています。特に自身の複製体と戦うラオフェンのアクション作画は白眉(はくび)といえるでしょう。ぬるぬる動く近接戦闘シーンに、視聴者からは「スタッフのなかに絶対ラオフェン好きな人いるでしょ」といった声すら上がっていました。

【画像】えっ、ちょっと怖い… これが冷たい視線を向けるフリーレンです

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