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なぜ怪人は巨大化する? スーパー戦隊シリーズ「敵巨大化」における4パターンの足跡

スーパー戦隊シリーズでは、第3作『バトルフィーバーJ』から巨大ロボの登場が定番になりました。ただ、敵がなぜ巨大なのか/巨大化するのかという説明づけは、しばらく試行錯誤がありました。その経緯を振り返ります。

『バトルフィーバーJ』では怪人と巨大怪人は別個体だった?

東映ビデオ「電子戦隊デンジマン DVD COLLECTION VOL.2〈完〉」 (C)東映
東映ビデオ「電子戦隊デンジマン DVD COLLECTION VOL.2〈完〉」 (C)東映

 おなじみ「スーパー戦隊」シリーズの第3作『バトルフィーバーJ』では初めて巨大ロボが登場し、以降シリーズに欠かせない要素となります。敵の怪人もまた巨大化しますが、「なぜ怪人が巨大化するのか」という設定が定着するまでには紆余曲折がありました。

 ことの始まりには、第2作『ジャッカー電撃隊』の視聴率低迷による、「スーパー戦隊」シリーズの一時休止があります。視聴率を気にせずにシリーズを復活させ、存続させる鍵こそが巨大ロボだったのです。

 そのきっかけとなったのはマーベルとコラボした『スパイダーマン』(東映版)で、同作には原作にない巨大ロボ「レオパルドン」が登場します。「レオパルドン」の玩具が思わぬヒットとなり、スポンサーである玩具会社の売上に貢献しました。

 それに目をつけた東映の吉川進プロデューサーは、視聴率の取りづらい時間帯でも、玩具の売上が上がればスポンサーは離れずシリーズが存続できると計算しました。シリーズ再開には巨大ロボの登場が不可欠だったのです。

 違和感なく巨大ロボを登場させるには、敵も同時に巨大化する必要がありました。巨大ロボが小さな怪人を倒すのは様になりませんし、いじめのように見えるからです。こうして敵の巨大化は必須要素となったものの、「なぜ巨大な敵が現れるのか」という理屈も必要になります。当初は番組ごとに、さまざまな理由づけがなされていました。

 巨大ロボをひっさげシリーズ再開の嚆矢となった『バトルフィーバーJ』では、敵の「エゴス怪人」が必殺技で倒されたあと、怪人の弟や妹である「悪魔ロボット」が、兄弟の仇を討つために「バトルフィーバーロボ」に対抗しました。つまり、巨大ロボが初登場した『バトルフィーバーJ』では、怪人と敵巨大ロボは別個体だったのです。

 第4作『電子戦隊デンジマン』の「ベーダー怪人」は、体内の細胞を自由に組み換えて自分の力で巨大化し、戦隊の「ダイデンジン」と戦います。巨大ロボの登場から2作目にして怪人そのものが巨大化し、その上に科学的説明が付与されました。

 続く第5作『太陽戦隊サンバルカン』の「機械帝国ブラックマグマ」が送り込む「機械生命体モンガー」も、前作同様に自らの意思で巨大化しました。

 ここで怪人の巨大化パターンが定着するものの、『秘密戦隊ゴレンジャー』の頃から続いていた「戦隊メンバーの合体技によるとどめ」が、とどめの一撃にならなくなります。合体技が決まったかと思うと、直後に相手の巨大化が始まるため、視聴者からしてみれば「あれ、前の戦隊よりも弱くなった?」とも見えてしまう設定でした。

【画像】巨大化した敵を迎え撃つ! 立体化されたスーパー戦隊+αの巨大ロボをチェックする!(6枚)

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