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「凍る」「炎」「嘘つき」……『フリーレン』の本質は翻訳すると見えてくる?

アニメ、原作コミックともに盛り上がりをみせる『葬送のフリーレン』ですが、登場人物の名前のほとんどはドイツ語が由来だと言われています。その意味を考察してみました。

ドイツはファンタジーと縁の深い土地

画像はTVアニメ『葬送のフリーレン』第22話の場面カット (C)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会
画像はTVアニメ『葬送のフリーレン』第22話の場面カット (C)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

『葬送のフリーレン』に登場する人名や用語などには、主にドイツ語が用いられています(一部ではフランス語なども使われています)。ドイツがファンタジーと縁深い土地であることが大きな理由でしょう。

 ドイツにはエルフやドワーフが登場する民間伝承がたくさんあり、ドワーフが登場する叙事詩『ニーベルンゲンの歌』が多くの人に親しまれています。『モモ』や『はてしない物語』のミヒャエル・エンデもドイツの人です。

『葬送のフリーレン』ではドイツで使われる名前を用いているのではなく、ドイツで使われる言葉を名前にしているのも特徴的で、登場人物にその言葉の意味が込められていると考えられます。ここでは主に物語の前半に登場した主要人物の名前をご紹介しましょう。

●フリーレンと旅をする仲間たち

 主人公のフリーレン(frieren)はドイツ語で「凍る」を意味します。1000年以上生き続けたため諦念が強く、ほかの人間に対して興味を持たなかったフリーレンの冷たさを表しているようです。しかし、フリーレンはともに冒険の旅をしたヒンメルの人となりを知ろうとしなかったことを深く悔い、新たな旅を始めることになります。『葬送のフリーレン』は凍てついていたフリーレンの心が解けていく過程を描く物語だといえるでしょう。

 フリーレンの弟子、魔法使いのフェルン(fern)はドイツ語で「遠い」です。フェルンは旅の始まりの頃、フリーレンは自分に興味がないのではないかと思い悩んでいました。また、フェルンはフリーレンのヒンメルやハイター、アイゼンへの思いが育まれていく様子を離れた場所から見守っています。「遠い」は、フェルンとフリーレンの心の距離、フェルンのフリーレンへの視点の場所を示しているのではないでしょうか。その後、フェルンとフリーレンの心の距離は、旅を重ねるごとに縮まっていきます。

 戦士のシュタルク(stark)は「強い」という意味です。彼は非常に臆病で自己肯定感が低い若者ですが、実際は高い戦闘能力を持っています。実力は師であるアイゼンやフリーレンにも認められていますが、まだ強くなっていく過程にあるようです。

 僧侶のザイン(Sein)は「存在・生存」です。少年時代から冒険者に憧れていたものの、冒険者になることができなかったザインは、10年前に旅立ったまま消息を絶った親友が生存しているかどうかを知るためにフリーレンと旅立ちました。親友の消息とともに、自分の存在を探しているようにも見えます。

【画像】色気ゼロ! これがフリーレンの投げキッスです

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