「本当にミスか?」「わざとだろ!」友情崩壊もありえた「仁義なきファミコンソフト」3選
ファミコンブームだった頃、放課後の楽しみといえば友だちの家に集まって、みんなでゲームを遊ぶことでした。しかし、最初は仲良く遊んでいたのに、ゲームがきっかけで喧嘩に発展してしまうことも。そんな危険な要素があった、ふたり同時プレイ可能なファミコンソフトを振り返ります。
ゲームがきっかけで険悪な雰囲気になったことも?
ファミコン世代の筆者が小学生だった頃、放課後の楽しみといえば、友だちの家に集まって「ファミリーコンピュータ」で遊ぶことでした。
和気あいあいと楽しんでいるうちは良かったのですが、ときにはゲームがきっかけで、友だちと険悪な雰囲気になることも……。そんな危険な要素をはらんだ、ふたり同時プレイが可能だったファミコンソフトを振り返ります。
プレイ中に喧嘩になりがちだったファミコンソフトといえば、1983年に発売された『マリオブラザーズ』(任天堂)が思い出されます。
ふたり同時プレイのときは、マリオとルイージを操作してパイプから現れる敵を協力して倒していきます。床下から突き上げた敵は気絶するので、それを蹴り落として倒していきます。
ふたり同時プレイの場合は、敵を気絶させる役と、蹴り飛ばす役に分かれて、協力してクリアを目指すのが定番でした。
しかし、気絶した敵を再度下から突き上げると、敵は目を覚まして動きだすので、蹴り飛ばそうとした味方の邪魔をすることになります。これをわざと狙ってやりはじめると、泥沼の足の引っ張り合いに突入します。
相手キャラを押して、敵や火の玉に当てようとしたり、仲間が気絶した敵を蹴ろうとした瞬間に「POWブロック」で起こしたりすると、ギスギスすることは避けられません。ときには『マリオブラザーズ』をきっかけに罵り合いに発展することもありました。
1986年にコナミから発売された『ツインビー』も、よく仲間割れに発展したシューティングゲームです。
同作は自機のツインビーとウインビーに分かれて、ふたり同時プレイが可能でした。そして自機は雲を撃つと現れる「ベル」を獲得し、パワーアップしていきます。このベルは何発か撃つごとに色が変わり、その色に応じて「得点のみ→ツイン砲→速度UP→分身→バリア」の順で効果が変化しました。
仲間割れする大きな要因のひとつが、このベルの存在にあります。せっかく狙っていたパワーアップの色まで育てたベルを仲間が撃ってしまうと、別の色に変わってしまうのです。
また、人が取ろうとしているベルを横取りすることもありました。こうした鬼畜なプレイを何度も繰り返すと、険悪なムードになってしまうことも珍しくありません。
またツインビーのふたり同時プレイ時は、それぞれの自機を横にドッキングさせたり、縦に接した状態でショットを撃ったりすると強力な攻撃を繰り出します。しかし逆にいうと、自機同士に微妙な当たり判定があるので、味方の行動を故意に邪魔することも可能でした。
1984年に任天堂から発売された『デビルワールド』のふたり同時プレイも、喧嘩の要因になりかねない危険な要素が満載でした。
プレイヤーは怪獣タマゴンを操作して、迷路に落ちているドットをすべて消すか、『バイブル」と呼ばれる本を所定の位置にはめ込めばクリアとなります。ただし、本作は上下左右にスクロールする方向が随時変化するので、迷路と周囲の壁に挟まれないように移動するのがコツです。
このゲームのふたり同時プレイでは、協力よりも邪魔をするプレイで楽しんだ人が多いのではないでしょうか。
タマゴンは十字架やバイブルを獲得することで炎を吐いて攻撃できますが、この炎を味方に当てると少しの間動けなくなります。これを悪用して、わざと味方が壁に挟まれるように誘導する極悪なプレイが流行りました。
またボーナスステージでは、6個のボーナスボックスのなかに1UPアイテムのタマゴが隠されています。
そして床にある矢印を踏むと、スクロールの方向を変えることができます。つまり、味方が壁に挟まれそうな向きの矢印をわざと踏み、相手を退場させてから、ゆっくりと1UPタマゴを狙うという非道なプレイも可能でした。
ファミコン時代のふたり同時プレイのあるゲームは、どうしても相手の足を引っ張り合う方向に発展しがちです。邪魔されて「ムッ」とすることもありましたが、喧嘩上等の何でもありのプレイがそれだけ楽しかったのも、また事実なのです。
(LUIS FIELD)