地球圏の中心でジオン愛を叫べ! 「ジオン残党勢力」の戦いや運用されたMSを振り返る
一年戦争で敗れた「ジオン公国」は、しかし、その残党勢力が戦後もしばしば歴史の表舞台に上ってきました。地上、宇宙問わず、主なところでどのような勢力が存在し、そして散っていったのかを振り返ります。
地球連邦軍に大きな打撃を与えたものの

『機動戦士ガンダム』以降のいわゆる「宇宙世紀」シリーズにはしばしばジオン残党軍が登場し、時にストーリー上で重要な役割を担い、時に旧式機が活躍を見せるなどしてファンを歓喜させています。
時系列的に見てもっとも早い時期にその活動が描写されたのは、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場した「デラーズ・フリート」です。「ギレン・ザビ」の信奉者だった「エギーユ・デラーズ」は、ギレン戦死の一報を聞き、「キシリア」による暗殺と看破して戦線を離脱、地球圏に残留して拠点「茨の園」を建設し、「ザクII」と「ガトル戦闘機」のパーツから簡易MS「ドラッツェ」を開発するなど苦しい台所事情にあえぎながらも戦力を蓄え、U.C.0083年に「星の屑」作戦を決行しました。
作戦序盤では「アナベル・ガトー」少佐が地球連邦軍トリントン基地に潜入して「ガンダム試作2号機(GP-02)」を奪取し、搭載された核弾頭による攻撃で宇宙要塞「コンペイ島(かつてのソロモン要塞)」に集結した地球連邦軍の艦隊の大半を一撃で葬り去る戦果を挙げます。しかし地球連邦軍の殲滅には至らず、「シーマ・ガラハウ」中佐の裏切りもあって、デラーズは死亡し組織は崩壊、最終的にほぼ殲滅され、シーマ中佐もガトー少佐も壮絶な戦死を遂げました。
同じく『0083』に登場したジオン残党軍が「ノイエン・ビッター」少将率いるキンバライト基地の勢力です。試作2号機奪取時にはモビルスーツ(MS)「ザメル」と「ドム・トローペン」を派遣、その後は宇宙への脱出を図るガトーの要請に応じてHLV(重量物打ち上げロケット)を提供するなど、デラーズ・フリートに積極的な協力を行なっています。
最終的には「ガンダム試作1号機(GP-01)」を擁する「アルビオン隊」との交戦ですべてのMSを喪失し、ビッターも戦死しますがHLVの打ち上げには成功、残った人員は降伏しました。このとき出撃した「ザクII」のなかには複数の機体を継ぎはぎしたものが確認されており、戦力の維持にはかなり苦労していたことが見て取れます。