マグミクス | manga * anime * game

「メカゴジラ」登場から半世紀 「ライバルを出したい」のアイデアから人気怪獣が誕生?

ゴジラのライバル怪獣として誕生した「メカゴジラ」生誕から半世紀の時が過ぎました。メカ怪獣ゆえに時代に合わせたデザインに変更されていき、人気怪獣としての地位を築きます。その経緯を振り返ってみましょう。

ゴジラの宿敵、光と影の存在となったメカゴジラ

1974年版のメカゴジラ。画像は「ゴジラ対メカゴジラ【60周年記念盤】」DVD (C)1974 TOHO CO.,LTD.
1974年版のメカゴジラ。画像は「ゴジラ対メカゴジラ【60周年記念盤】」DVD (C)1974 TOHO CO.,LTD.

 本日3月21日は、1974年に「東宝チャンピオンまつり」の一編として劇場用映画『ゴジラ対メカゴジラ』が公開された日です。今年2024年で半世紀が経過しました。この映画で初登場したロボット怪獣「メカゴジラ」は、ゴジラシリーズのなかでも人気の高い怪獣となります。

 本作はゴジラ誕生20周年記念映画であり、1972年5月15日に本土返還された沖縄を舞台として製作されました。当初は沖縄を舞台にしたゴジラ映画としてスタートしており、メカゴジラの登場は原型となったシノプシスにはありません。

 このメカゴジラの登場は紆余曲折あり、最初は2体のゴジラが戦うというアイディアもあったことから、それが下地になったともいわれています。これがメカ怪獣となったのは、当時のヒット作である『マジンガーZ』の影響ともいわれていました。

 実際、この1か月ほど後に『ゲッターロボ』も放映を開始し、ロボットアニメブームと呼ばれる時期がやって来ます。当時の子供にとって巨大ロボットは、変身ヒーローに代わる新しい興味の対象だったといえるでしょう。

 もちろん単なるブームの後追いではなく、メカ怪獣は東宝特撮の十八番でもありました。「キングコング」のライバルである「メカニコング」がそうです。プロデューサーの田中友幸さんがこのメカニコングを例に挙げ、「ゴジラのロボットが出せないだろうか?」というアイディアを出したのがきっかけでした。

 こうして誕生したメカゴジラは、ゴジラの黒い体とは真逆の白銀のボディが、光と影を思わせる絶妙のコントラストとなっています。そして全身に装備された超兵器の数々が強敵感を醸し出していました。カラフルな光線や、火薬を使った派手な爆発が随所に見られ、子供たちが興奮する映像作りに一役買っています。

 こういったことから、メカゴジラが当時の子供のハートをつかむのは当然だったかもしれません。関連オモチャのセールスも良かったと聞いています。そうなると製作側もメカゴジラをプッシュすることとなり、次回作『メカゴジラの逆襲』(1975年)の制作が決まりました。

 この『メカゴジラの逆襲』では新怪獣「チタノザウルス」とタッグを組んだ「メカゴジラ2」が登場し、ゴジラは2対1のハンディキャップマッチを挑まれることになります。ゴジラ映画で、ゴジラ以外の怪獣だけがタイトルになっているのは本作が唯一でした。

 公開当時のポスターなどには「最新作メカゴジラ・シリーズ第2弾」と書かれていたこともあり、製作陣がいかにメカゴジラという存在を推していたかわかるでしょう。それほどメカゴジラはゴジラ映画で久々に現れたスター怪獣だったというわけです。

 これまでの「東宝チャンピオンまつり」の作風と違ってサイボーグ少女「桂」の悲哀といった部分もクローズアップされた意欲作でしたが、観客動員数には結びつかず、ゴジラ映画は『メカゴジラの逆襲』をもって一時中断されることになりました。

 これは怪獣映画というコンテンツが一定の役割を終え、後続の特撮ヒーローやロボットアニメといった作品に立場を譲ったということなのでしょう。もっとも、その灯は完全に消えたわけでなく、一定の時間を経て後に復活するための休眠期間でした。

【画像】「えっ…めっちゃエヴァ」 どのデザインがお好み? こちらが立体化された歴代「メカゴジラ」です(7枚)

画像ギャラリー

1 2