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『映像研』で再び注目? 宮崎駿監督の全てが詰まった『未来少年コナン』の影響力

現在放映中のTVアニメ『映像研には手を出すな!』(NHK総合)の主人公・浅草みどりがアニメーターを目指すきっかけとなったのが、国民的アニメ作家・宮崎駿監督が手掛けたTVシリーズ『未来少年コナン』でした。個性的なキャラクターたち、ユニークなメカが次々と登場した『未来少年コナン』は多くのクリエイターたちに影響を与えた作品としても知られています。

『映像研には手を出すな!』に流れた名場面

アニメ『未来少年コナン』(C)NIPPON ANIMATION CO.,LTD.
アニメ『未来少年コナン』(C)NIPPON ANIMATION CO.,LTD.

 NHK総合で久々に流れたTVアニメ『未来少年コナン』の映像に、歓喜したファンも多かったのではなかったでしょうか。2020年1月5日(日)深夜にスタートした湯浅政明監督のTVアニメ『映像研には手を出すな!』(NHK総合)の第1話、主人公の浅草みどりが動画配信サービスで『未来少年コナン』に出会うシーンが印象的に描かれていました。

 大量破壊兵器によって人類の多くが死滅した未来社会で生きる自然児コナンと美少女ラナ、砂漠を浮遊するフライングマシン、地下格納庫に眠っていた巨大機ギガントの復活……。『未来少年コナン』で描かれた宮崎駿監督の世界観に浅草みどりは魅了され、アニメーターを志すようになるのでした。

 宮崎監督の最高傑作との呼び声も高い『未来少年コナン』は、浅草みどりだけではなく、実際に世界中の人びとを虜にし続けています。

 宮崎監督は映画『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年)で劇場アニメの監督デビューを果たしていますが、1978年にTV放送された『未来少年コナン』では全26話に演出として「宮崎駿」の名前がクレジットされており、同作は宮崎監督の実質的な監督デビュー作として知られています。1971年~72年に放映されたTVアニメ『ルパン三世』(日本テレビ系)の第1シリーズですでに演出を経験していましたが、このときは高畑勲監督とのユニット名「Aプロダクション演出グループ」としてでした。

 NHK初のTVアニメシリーズとして、『未来少年コナン』は話題を呼びました。制作会社は『母をたずねて三千里』(フジテレビ系)などの「世界名作劇場」シリーズを手掛けた日本アニメーション。作画監督は大塚康生氏、美術監督は山本二三氏、原画は『耳をすませば』(1985年)で監督デビューすることになる近藤喜文氏など、そうそうたるスタッフが集結していました。

 原作は米国の児童文学者アレグザンダー・ケイの『残された人びと』ですが、ストーリーは大幅にアレンジされ、宮崎監督好みの飛行艇ファルコやロボノイドなどの味のあるメカが次々と登場しました。放送から40年以上経った現代でも、古臭さを感じさせません。

【画像】懐かし『未来少年コナン』で活躍する、魅力的キャラクターたち(7枚)

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