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『映像研』で再び注目? 宮崎駿監督の全てが詰まった『未来少年コナン』の影響力

宮崎駿モチーフの「全部乗せ」

ヒロインのラナが描かれた、『未来少年コナン』DVD7巻(バンダイビジュアル)
ヒロインのラナが描かれた、『未来少年コナン』DVD7巻(バンダイビジュアル)

 物語は大自然の中でたくましく育った少年コナン(声:小原乃梨子)が、渡り鳥のテキィと心を通い合わせる不思議な少女ラナ(声:信澤三恵子)と出会い、大冒険に繰り出すという宮崎監督お得意の「ボーイ・ミーツ・ガール」ものです。やがてコナンはディストピア社会であるインダストリアに辿り着き、太陽エネルギーの独占を目論むレプカ(声:家弓家正)の野望に立ち向かうことになるのでした。

 行き過ぎた科学が人類を滅ぼすことになるという宮崎監督作品に一貫するテーマ性は、監督デビュー作から明確に打ち出されていたことがわかります。処女作にはその作家のすべてが込められていると言われますが、『未来少年コナン』には宮崎監督のモチーフのすべてが入っているといっても過言ではないでしょう。

 宮崎監督はこのとき、38歳。アニメーターとして充実期を迎えていました。『未来少年コナン』では、素晴らしい名シーンの数々を生み出しています。今でいう「神回」にあたるのが、第8話「逃亡」です。コナンとラナはインダストリアから海上ルートで脱出しようとしますが、手錠で拘束されていたコナンは海に沈んでしまいます。一見するとひ弱そうなラナですが、海底で窒息死寸前だったコナンを救うために、口移しでコナンに空気を与えるのです。ラナの捨て身の行動のお陰で、コナンは火事場のくそ力を発揮し、海底からラナを抱きかかえたまま海面を勢いよく飛び出し、月の輝く夜空まで飛翔するのでした。

 宮崎監督はその後、劇場アニメ『風の谷のナウシカ』(1984年)、『天空の城ラピュタ』(1986年)、『魔女の宅急便』(1989年)などのヒット作を次々と放ち、飛翔シーンや飛翔に伴う高揚感を巧みに描くアニメーターとして知られていきます。その才能がすでにほとばしっていたのが、監督デビュー作『未来少年コナン』だったのです。

【画像】懐かし『未来少年コナン』で活躍する、魅力的キャラクターたち(7枚)

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