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『映像研』で再び注目? 宮崎駿監督の全てが詰まった『未来少年コナン』の影響力

インフルエンサーとしての『未来少年コナン』

2020年1月5日深夜から放送されている、アニメ『映像研には手を出すな!』  (C)2020 大童澄瞳・小学館/「映像研」製作委員会
2020年1月5日深夜から放送されている、アニメ『映像研には手を出すな!』 (C)2020 大童澄瞳・小学館/「映像研」製作委員会

『映像研に手を出すな!』の浅草みどりはどうやら、『未来少年コナン』をNetflixで視聴したようですが、実際にNetflixでは『未来少年コナン』のTVシリーズ全26話のほか、劇場公開された『未来少年コナン 特別編 巨大機ギガントの復活』(1984年)なども配信されています。高度上空を飛ぶ巨大爆撃機ギガントの翼の上をコナンが駆け抜けるシーンのドキドキ感は、それまでのアニメ作品では体験したことのない画期的なシークエンスでした。

 1978年にTV放映された『未来少年コナン』は、浅草みどりだけでなく、世界中の多くのクリエイターたちに刺激を与えました。『グエムル 漢江の怪物』(2006年)などで知られる韓国映画界の鬼才ポン・ジュノ監督は中学生のときに『未来少年コナン』を見て、演出という概念を知ったと語っています。

 なかでもポン・ジュノ監督にとって印象的だったのは、インダストリアの「三角塔」だそうです。三角塔には上層階にレプカたち一等市民が暮らし、地下には額に焼印を押された労働者たちが奴隷さながらの生活を送っていました。そこへコナンたちが現れ、労働者たちは一斉決起することになります。ポン・ジュノ監督の脳裏には、SFアニメ『未来少年コナン』は階級闘争の物語として記憶されていたそうです。

 現在日本でも公開中のポン・ジュノ監督の最新作『パラサイト 半地下の家族』は「格差社会」をテーマにした現代劇で、高台の豪邸で暮らす裕福な社長一家と半地下の借家で暮らす貧乏一家との間に起きる悲喜劇を描いています。物理的な高低差がそのまま経済的格差を表しています。宮崎作品で描かれる高低差の関係を、ポン・ジュノ監督はうまく物語構造に生かしているわけです。

ヒロインのラナに重なる「ニュータイプ」?

 1979年にTV放映された『機動戦士ガンダム』(テレビ朝日系)で大ブレイクする富野由悠季監督が、「とみの喜幸」名義で『未来少年コナン』の絵コンテに参加していたこともファンの間では有名でしょう。ラナがコナンたちと心の声で通じ合う様子は、『機動戦士ガンダム』の主人公・アムロがニュータイプとして覚醒していく展開に少なからず影響を与えたのではないでしょうか。

 宮崎監督は『風立ちぬ』(2013年)の公開直後に現役引退を表明していましたが、その後撤回。現在はまだ公開年が明かされていませんが、新作アニメ『君たちはどう生きるか』を制作しているところです。『未来少年コナン』の放映から40余年。多くのクリエイターたちに影響を与え続ける宮崎監督は、いったいどんな新境地を見せてくれるのでしょうか。

(長野辰次)

【画像】懐かし『未来少年コナン』で活躍する、魅力的キャラクターたち(7枚)

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