「簡単に死に過ぎ」「現実はまだマシ」 辛い時に見たら逆に効く鬱アニメ
つらい描写の多い、いわゆる「鬱アニメ」は精神が削られるような展開が多く、トラウマになってしまう作品もあります。しかし、自分よりきつい境遇のキャラクターの姿が、自身の苦境から立ち直るきっかけになるかもしれません。この記事では「自分の方がマシだ」と思えてしまう鬱アニメを振り返ります。
「現実の方がマシ」と思える過酷な状況
ハードな展開が続く、いわゆる「鬱アニメ」は怖いもの見たさで見る人もいれば、「つらい展開が見てられない」「トラウマになりそう…」と避ける人もいるでしょう。精神が削られる鬱アニメには、過酷な状況や精神的にしんどくなる展開が多いですが、あえて病んでいるときに見るという人もいます。自分より過酷な状況のキャラクターたちを見て「現実の方がマシだ」と思える、アニメを振り返ってみましょう。
鬱アニメと聞いて、真っ先に『魔法少女まどか☆マギカ』(通称:まどマギ)を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。『まどマギ』は可愛らしい見た目の魔法少女たちが登場し、一見ファンシーな魔法少女ものに思えますが、残酷な展開や悲劇的な結末が多い作品です。
魔法少女たちが無残な死を遂げていくシーンが多く、感情移入していた馴染みのキャラが死んでいく姿に胸を締め付けられた視聴者も多いことでしょう。
物語には5人の魔法少女が登場し、地球外生命体であるキュゥべえを中心にストーリーが展開されていきます。そもそも魔法少女とは、どんな願いでもひとつ叶えることと引き換えにキュゥべえと契約し、魔女と戦う使命を課せられた存在です。キュゥべえは願いをひとつ叶えることだけを伝えて、「少女たちを魔女にして感情のエネルギーを回収し、宇宙を存続させる」という真の目的を話さず、契約を結んでいました。
願いを叶えるために命を懸けて魔女と戦っていた主人公鹿目まどかたちですが、魔法少女である美樹さやかの死によって、自分たちもいずれ魔女になることに気が付きます。
今まで一緒に戦っていた仲間の死は、魔女化の恐怖感を植え付けるには十分すぎるものでした。願いをひとつ叶えるために契約したのに、いずれ魔法少女の敵である魔女になってしまうかもしれない恐怖感や、常に命がけで戦わないといけない過酷な状況を自分の状況と照らし合わせると、気持ちが楽になるかもしれません。
そのほか、可愛い絵柄で人間の醜さを描いた鬱アニメが『地獄少女』です。永遠幸先生の同名マンガが原作で2005年から「なかよし」で連載され、発行部数は190万部を突破した人気作です。「いっぺん、死んでみる?」という主人公の閻魔あいの決めゼリフを聞いたことがある人も多いでしょう。
若者の間で都市伝説として広まっている「地獄通信」を使うと、あいは憎い相手を地獄に堕として恨みを晴らしてくれます。地獄通信は午前0時だけアクセスでき、憎い相手の名前をサイトに書くことで相手を地獄に堕とせると言われています。ただし、ただでは地獄に堕とせません。相手を地獄に堕とす代わりに、自分も地獄行きになり、胸に一生消えない刻印が刻まれます。
人の恨みや憎しみによる恐怖を感じ、さらに「人を呪わば穴二つ」ということわざ通りの教訓も学べるアニメです。
また、無慈悲に人が死んでいくホラーアニメとして有名なのが『Another』です。ミステリ&ホラーの巨匠といわれる綾辻行人先生の同名小説が原作で、いとも簡単に人が死んでいく様に「Anotherなら死んでた」というネットミームも誕生しました。
夜見山北中学校に転入してきた榊原恒一は、クラスの怯えた雰囲気に違和感を覚えます。同じ3年3組の不思議な存在感の少女、見崎鳴をクラスメイトたちは徹底的に無視して扱っていました。
このクラスには、数年に1度だけ死者が紛れ込み、クラスのメンバーや親族が毎月ひとり以上必ず死んでしまう「災厄」という出来事が起きます。この対策のおまじないとして誰かをいない者として扱う必要があり、見崎がその対象になっていたのです。
このことを知らない榊原が見崎と会話してしまったため、不可解な死が次々と起こります。傘の先端が喉を突き刺したり、乗っていたエレベーターが落下したりと、あまりにも悲惨な描写の数々に生きているだけでありがたいと思えてくる作品です。
(LUIS FIELD)