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東映特撮番組「サブタイトル」のヒミツ 極端に短い回にはそうする理由があった…?

本来、子供番組のサブタイトルは読んだだけで内容が推測できるくらい分かりやすいものです。しかし、80年代の東映特撮ヒーロー番組には時々、ひと言で終わるものがあります。もちろん、そうする理由がありました。

大物ゲストだからタイトルを短縮 その納得のワケ

「太陽戦隊サンバルカン DVD COLLECTION VOL.1」(東映ビデオ) (C)東映
「太陽戦隊サンバルカン DVD COLLECTION VOL.1」(東映ビデオ) (C)東映

 80年代の「スーパー戦隊」や「宇宙刑事」シリーズには時々、極端に短いサブタイトルがあります。すべてがそうとは言い切れませんが、その理由のひとつとして聞かれるのは、テレビ欄にゲスト俳優の名前を載せるための工夫だった、というものです。80年代東映特撮の、短いタイトルの事情について振り返ります。

 スーパー戦隊で短いサブタイトルが使われた先駆けは、1981年『太陽戦隊サンバルカン』の第36話「エスパー」、第37話「日見子よ」です。ゲストは当時女優や歌手として活躍していた三原順子(現・じゅん子)さんでした。

 実は三原さんは前々作『バトルフィーバーJ』(1979年)の第9話「氷の国の女」や、前作『電子戦隊デンジマン』(1980年)にも「デンジブルー/青梅大五郎」の妹分役で2話、ゲスト出演しています。同じころ、TVドラマ『3年B組金八先生』にも出演し、いわゆる売れっ子となり、『サンバルカン』にゲスト出演するころには大物ゲスト扱いとなっていました。

 ネットのない時代、次回予告を見逃した人が大物ゲストの出演を知る機会はただひとつ、新聞のテレビ欄です。特撮のような30分番組でそのテレビ欄にゲストの名前を載せるには、タイトルの文字数を減らすしかなかったのです。

 東映特撮のサブタイトルは通常、子供たちに内容が伝わるように、『宇宙刑事ギャバン』ならば「包囲された輸送部隊 正義の太陽剣」「学校から帰ったら 僕の家はマクー基地」など長めのものが多かったので、なおさら短いタイトルは珍しく、ひときわ目立ちました。

 このタイトルを皮切りに短いサブタイトルには、大物ゲストが登場するケースが多くなります。

『宇宙刑事ギャバン』(1982年)の最終盤である第43話「再会」には、主演である大葉健二さんの父役で、大葉さんの師匠でもある千葉真一さんがゲスト出演しています。

 続いて『超電子バイオマン』(1984年)の第13話「ジュンよ」では、当時JAC所属俳優としてトップの人気だった真田広之さんが、新イエローに抜擢された後輩の田中澄子さんを応援するために出演していました。

 80年代の特撮を視聴する時にサブタイトルにも注目すると、大物俳優ゲスト回を見つけることができるかもしれません。

(LUIS FIELD)

【画像】意外な大物ゲストに驚愕必至な東映特撮シリーズタイトルをチェックする(4枚)

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