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ファミコンのゲームを遊ぶと「しんどい」問題 最近のゲームが「親切過ぎ」?

今のゲームはそもそも「考え方」が違う

『スーパーマリオブラザーズ』の操作は2Dアクションのスタンダートとなっているが、当時はまだ操作体系もいろいろなものが模索されていた (画像は任天堂公式サイトより)
『スーパーマリオブラザーズ』の操作は2Dアクションのスタンダートとなっているが、当時はまだ操作体系もいろいろなものが模索されていた (画像は任天堂公式サイトより)

「昔のゲームがしんどい」と思える理由はいろいろと考えられます。まず、操作性がよくなったところが重要です。

 まだゲームの歴史がそこまで積み重なっていないころは、どのようにゲームを操作するかも手探りでした。たとえば『スーパーマリオブラザーズ』は十字キーで移動、Aでジャンプでしたが、それ以前に出たゲームでは十字キーでジャンプ、A・Bボタンで移動なんてものもありました。

 当然ながら時代が進むにつれ、どの操作が最適なのかの研究も進んできます。また、ユーザー側もゲームの進化に慣れてきて、今や「右スティックでカメラ操作」のゲームも当たり前になっていますが、これも一昔前は難しいので避けるべき操作と考えられていました。

 セーブが消えにくくなったのも大きな要因です。それこそ『ドラゴンクエスト』シリーズで「ぼうけんのしょ」が消えて、あのサウンドを聞いてトラウマになった人はたくさんいるでしょう。もっと遡ると、「ふっかつのじゅもん」を手書きでメモする時代すらありました。

 しかし、現在のゲームはセーブが消えにくいです。それどころかオートセーブが当たり前になっているため、手動セーブをほとんどしない可能性すらありえます。もちろんセーブデータが消える可能性はゼロではないのですが、クラウドでのバックアップなどに対応しており安定感が段違いです。

「セーブしてなかったのでやり直し」だとか「セーブデータが消えたので最初からやらなければならない」といったことが減ったわけで、格段に遊びやすくなったのはたしかです。

 また、グラフィック表現の幅が広がったことによりストーリーも重視されるようになりました。今やストーリーが感動的・衝撃的な作品は珍しくないですが、ファミコンの頃はとても簡素でした。

 ストーリーを魅せるゲームの場合、最後まで見てもらうことが重要になります。ゆえにクリアさせる意義が増え、ややこしさや難しさは取っ払うようになっていきます。

 何より、こういった「遊びやすさ」が評価されるようになりました。昔はゲームを遊ぶにしても一本のタイトルを買って遊び尽くす……という感じでしたが、今や基本プレイ無料や低価格のゲームがたくさんあるわけです。

 いろいろなゲームを試して気に入ったものを遊ぶ状況なので、遊びにくくて脱落する作品は避けられがちです。もっとも、インディーゲームにおいてはあえて遊びにくくして魅力を出す作品もあったり、むしろ古いゲームの良さを活かす新しいシステムを用意した作品もあり、本当にゲームも多様になってきました。

 改めてファミコンのゲームを遊ぶと、「昔はこんなしんどいことをやっていたのか!」と驚くばかりです。今がどれだけ変化したのか、しみじみと感じ入ってしまいます。

(すすだま)

【画像】うわっ、キツイ…! これが「しんどい思い出もたくさんある名作レトロゲーム」です(5枚)

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