昔はグレーゾーンだった「ゲーム実況」 現在の「大盛況」はどうして生まれた?
今やゲームの盛り上がりには欠かせなくなったゲーム実況。しかしちょっと前まではマニアによるグレーゾーンの世界でした。現在のように大人気になり、ストリーマー(実況者)やVTuber、タレントたちがこぞって配信するようになったのはどうしてなのでしょうか?
伝説のゲーム番組「ゲームセンターCX」で実況が行われた?
「ゲーム実況」といえば、YouTubeなどの配信では欠かせない人気ジャンルです。多くの配信者が日夜さまざまなゲームプレイを披露しています。ゲーム実況での盛り上がりは、ゲームがヒットする要因のひとつとして、ゲームメーカーも見逃せないポイントとなっています。しかし、ゲーム実況というのはここ20年ほどの新しい文化であり、ほんの少し前はいわゆる「グレーな存在」で、今のように堂々とは行われていませんでした。
ゲーム実況のパイオニアといえば、お笑い芸人よゐこの有野晋哉氏による「ゲームセンターCX」が挙げられることが多いでしょう。当初はクリエイターインタビューを主体にした番組で、そのなかのコーナーとしてレトロゲームに挑む「有野の挑戦」がありました。後に、「有野の挑戦」がメインコーナーとなり、現在のゲーム実況に近い形となります。
これが開始されたのが2003年です。その後、ライブストリーミングを配信するソフトであるPeerCastや、動画配信サイトニコニコ動画、YouTubeなどで、一般のゲームユーザーによる配信が広がっていきます。
ゲーム実況で「伝説」となった『マインクラフト』
『マインクラフト』と言えば、今や子どもに大人気のゲームタイトルです。この春小学2年生になる筆者の息子も、Nintendo Switchでプレイしています。しかし、同作はもともとゲームマニアだけが知るインディー作品でした。それが広がっていくきっかけが、ゲーム実況だったのです。
今でこそ家庭用ゲーム機でも普通にインディゲームが遊ばれていますが、ほんの少し前まではPCでゲームマニアが遊ぶジャンルであり、『マインクラフト』もそのひとつでした。世界のすべてがブロックで構成され、それを壊してアイテム化し、自由に組み合わせて遊ぶことのできるゲーム性は、当時としては革新的であり、ゲーム実況を通して多くのゲーマーに衝撃を与えました。
ゲーム実況によって『マインクラフト』は広がりましたし、逆に言えば『マインクラフト』によってゲーム実況も広がっていきました。