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ロボはなぜ合体変形するのか 答えはその元祖『ゲッターロボ』にある? 放送から50年

合体変形ロボの元祖と言われる『ゲッターロボ』がTV放送されてから50年の時が流れました。『ゲッターロボ』と言えば、立体では再現できない合体変形で知られています。その誕生の秘密について紐解いていきましょう。

立体で再現不可能な超絶合体変形はどうやって生まれたのか?

「流竜馬」と「ゲッター1」。東映ビデオ「ゲッターロボ VOL.1」 (C)ダイナミック企画・東映アニメーション
「流竜馬」と「ゲッター1」。東映ビデオ「ゲッターロボ VOL.1」 (C)ダイナミック企画・東映アニメーション

 本日4月4日は、1974年にTVアニメ『ゲッターロボ』が放送開始した日です。今年2024年で半世紀の時が経ちました。合体変形ロボの元祖ともいわれている『ゲッターロボ』について振り返ってみましょう。

 本作はTVアニメ『マジンガーZ』の大ヒットから、「同じく巨大ロボットをメインにした作品ができないか?」ということで企画されました。製作は『マジンガーZ』と同じく、アニメ会社の東映動画(現在の東映アニメーション)、原作者である永井豪先生とダイナミックプロ、玩具会社のポピー(現在のバンダイ)で行われ、これに出版社として、『マジンガーZ』では講談社だったところを、代わりにライバル関係にあった小学館が加わります。

 逆を言えば、ここまで『マジンガーZ』と同じ製作陣であったため、その模倣ではなく、まったく新しいロボットアニメを最初から模索することになりました。それが、主人公たちの乗機3機が合体して巨大ロボになり、その順番によって別の姿になるというものです。しかし根本となるシステムは早々に決まったものの、その設定に苦戦することとなりました。

 最初の企画では、メカではなく「3人の中学生がサイボーグとなって人間ピラミッドを築き、その頂点になる人物によって姿が変わるロボット」という設定となります。この時のタイトルは『チェンジロボット ゲッター3』で、この時点で3体のロボは腹部にビームを持つタイプ、スピードタイプ、パワータイプと設定されました。

「サイボーグが合体して巨大ロボになる」……今の感覚で考えると異質な設定に思えますが、これは当時の変身ブームを踏まえると、理解できる設定といえるでしょう。現代のように設定に一定の合理性が必要であることよりも、子供たちがおどろくような新しいものを生み出すことの方が重要だったわけです。

 この「サイボーグ」という設定が「レーシングマシン」へと変わり、それが最終的に「戦闘機」となりました。こうして『ゲッターロボ』の大まかな設定と方向性が決まります。しかし、ここでまたしても難題が立ちふさがりました。それが「ゲッターロボ」の各デザインです。

「神隼人」と「ゲッター2」。東映ビデオ「ゲッターロボ VOL.2」 (C)ダイナミック企画・東映アニメーション
「神隼人」と「ゲッター2」。東映ビデオ「ゲッターロボ VOL.2」 (C)ダイナミック企画・東映アニメーション

 デザインを担当した石川賢先生は、このデザインを考えるのに四苦八苦しました。しかし、永井先生の自由な発想が状況を打開します。それが本作で見せた「立体物として実現不可能な変形でも、絵的には納得できる自由な合体方式」です。

 ちなみに記憶形状合金の実用化は1980年代以降のことになります。この時代には発想自体、なかったことです。この永井先生の自由な発想が「ゲッター」を生み出し、稀代の名作を誕生させるきっかけとなりました。

 これによりロボットアニメブームと呼ばれる時代が幕を開けたわけです。後続のロボットアニメの主役ロボが変形ないし合体機能を持つことになったのは、この『ゲッターロボ』に源流があるといえるでしょう。

 もっとも後続の巨大ロボたちは、「ゲッターロボ」ほど自由な変形合体はしておらず、どの作品もオモチャで再現可能なデザインとなっています。そういった点で「ゲッターロボ」は、始祖ゆえに許された禁断の合体変形ロボだったといえるかもしれません。

 ちなみにポピーは、「ゲッターロボ」の合体変形の実現は考えておらず、単純に主役ロボが3体なら売り上げも3倍、という考え方だったそうです。つくづく、まだロボットアニメ黎明期ゆえに許された作品だったといえるでしょう。

【画像】そのボタンの位置は……こっちが赤面しそうなゲッターチームの紅一点「早乙女ミチル」のパイロットスーツ姿をチェックする(4枚)

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