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音ゲーの先駆者『パラッパラッパー』 ユーザーを虜にしたラップバトルの魅力とは?

プレイステーション用ソフト『パラッパラッパー』は、まだ「リズムアクションゲーム」というジャンルのソフトがなかった時代、「音ゲー」の先駆者となりました。明るくポップな世界観ながら、ゲームは難しめ。多くのユーザーを虜にした魅力とは?

個性的なキャラクターたちがゲームを彩る『パラッパラッパー』

『パラッパラッパー PS one Books』(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)
『パラッパラッパー PS one Books』(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)

 大きなオレンジ色のニット帽に青いタンクトップ、そしてデカめのパンツ。このキャッチーなストリートファッションに身を包んだのは、人間ではなく犬の男の子。そう、『パラッパラッパー』の主人公・パラッパです。

「プレイステーション」のリリースからちょうど2年が経った1996年の冬。彼はゲーム業界に”リズムアクション”(音ゲー)と呼ばれるジャンルを芽吹かせ、一大ムーブメントを巻き起こしました。

 今でこそスマートフォンアプリやアーケードゲームなど、あちこちで見かける機会の多い音ゲー。しかし約25年前はまだ”音ゲー”と呼ばれるジャンルが本格的に成立していません。『beatmania(ビートマニア)』や『ダンスダンスレボリューション』といった音ゲーの人気シリーズが出回ったのも1997年あたりからで、音楽を主体に捉えてアクション性を付与したタイトル自体が少なかったのです。

 そこに現れたのが、ゲーム内でかかる音楽に合わせてプレイヤー自身が演奏する『パラッパラッパー』。個々人のリズム感とボタンを押すタイミングがクリアに結びつくゲーム性は、現在まで続く音ゲー分野の屋台骨となりました。

 加えて作品を彩るキャラクターも個性的。主人公のパラッパをはじめ、どこかユルい雰囲気を放つ PJ ベリー。いつも笑顔で可愛らしいサニー・ファニー。ハキハキとして気の強いケイティ・キャットなど、性格の異なるキャラクターがゲームを大いに盛り上げてくれます。

 ビジュアルデザインやパラッパの成長を描いたストーリーを含め、世界観は明るくてポップ。その作風と目新しいゲームシステムに大勢の人々が心惹かれたのか、国内で140万本以上の売上を記録しています。

 その後は続編の発売だけでなく、2001年にフジテレビでアニメ化もされた本作。『サルゲッチュ』のピポサル、『クラッシュ・バンディクー』のクラッシュや『どこでもいっしょ』のトロと並び、ソニー・コンピュータエンタテインメント(現:ソニー・インタラクティブエンタテインメント)の看板キャラとして、たくさんの人々に親しまれています。

 ちなみに2012年にリリース済みの『プレイステーション オールスター・バトルロイヤル』では、パラッパがプレイアブルキャラとして参戦。激しくパンチを叩き込んだり、スケートーボードに乗って突進したり……いつものラップバトルでは見られない武闘派な戦いを披露しました。

【画像】音ゲーの先駆者 陽気な世界観の『パラッパラッパー』(5枚)

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