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『ドラクエ4コマ』中井一輝先生インタビュー 柴田亜美先生が認めた奇才

中井一輝先生ならでは! 「白黒」のコマが生まれた理由

中井一輝先生が「マグミクス」読者に描き下ろしてくれたサイン色紙
中井一輝先生が「マグミクス」読者に描き下ろしてくれたサイン色紙

ーー「白黒になって終わる」ネタは、インパクト大なオチでした。それが「楽屋裏」などで描かれた自画像にもつながっているのですね。

 はい、自分でも気に入っていて自画像に使っています。

 そのコマが生まれたきっかけは本当に偶然でした。投稿系のマンガでは、最後のコマが劇画チックになる手法は昔から人気があって、私も大好きでした。

 自分でもそういうのを描こうと思ったのですが、画力の問題でリアルタッチの表現がうまくできませんでした。それで、失敗した影の斜線をベタで潰してごまかしていくうちに、黒い部分が不自然に増えてしまったので、「いっそ全部ベタでつぶしてしまおう」と。さらに、なぜかオシャレでスタイリッシュな画風の作家さんのコマを参考にしてみました。

 結果的に、そのスタイリッシュさが予期せぬ魔改造効果を生み出したようで、仕上がったコマを見て自分でも大笑いしてしまいました。

ーー投稿作品が『4コマクラブ傑作集』で柴田亜美先生に絶賛された時の気持ちは?

 すごくうれしかったのと、期待に応えられた安心感の両方がありました。

 実は、投稿作品が初めて掲載されたのをきっかけに、『4コマクラブ傑作集』が出版される前からちょこちょこ編集部に遊びに行っていました。オープンな雰囲気の編集部で、私はまだ学生だったので、大人である編集者さんと話してアドバイスをもらえるのは刺激になり、ありがたかったです。

 柴田亜美先生には「投稿者の中井くんに会ってみたい」と言っていただけ、運よくご挨拶できる機会がありました。柴田亜美先生には、「めちゃくちゃ笑ったから、ああいうのをどんどん描きなよ!」みたいなアドバイスをいただきました。

 舞い上がってしまい、その後、気合を入れて30本くらいネタを投稿しました。もちろん入選することも「柴田亜美賞」をいただけることも知らなかったので、発売された『4コマクラブ傑作集』を買ってドキドキしながら自分のマンガを探したことを覚えています。

【マンガ】少年誌に載せていいの? 中井一輝先生の『一発屋劇場』(9枚)

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