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『美味しんぼ』海原雄山の「振る舞い」、料理のプロはどう見る? 現役シェフに聞く

マンガ界の「グルメブーム」を牽引した『美味しんぼ』。圧倒的な存在感のあるキャラクター・海原雄山は、物語の序盤、かなり横暴なキャラでした。海原雄山の「やらかし」について、レストランのシェフの意見は?

序盤には、現役シェフも苦言を呈する「目に余る行為」も

『美味しんぼ 109(日本全県味巡り 島根編)』(小学館)
『美味しんぼ 109(日本全県味巡り 島根編)』(小学館)

 2019年末、俳優の木村拓哉さん主演のTVドラマ『グランメゾン東京』(TBS系)が最終話で同時間帯のトップとなる平均視聴率16.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録し、好評のうちに幕を閉じました。

 マンガの世界に目を向けると「グルメブーム」を牽引した作品として、まず思い浮かぶのが1983年より「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で連載開始した『美味しんぼ』(原作:雁屋哲 作画:花咲アキラ ※2014年から休載中)ではないでしょうか?

 東西新聞社に勤務するグータラ社員・山岡士郎と、新人ながら味覚に優れた栗田ゆう子が同社の「創業100周年の記念事業」として「究極のメニュー」作りを任され、さまざまな「食」にまつわるストーリーが展開していきます。そのなかに登場する強烈キャラとして忘れられない存在が、主人公・山岡の実父であり、後にライバル新聞社である帝都新聞の「至高のメニュー」を担当する海原雄山です。

 陶芸を中心に書道や絵画、文筆にも優れた希代の芸術家にして、銀座裏の一等地にある会員制の料亭、「美食倶楽部」を主催する美食の大家(たいか)として描かれた人物なのですが、物語の序盤は、実はかなり横暴なキャラクターとして描かれ、現実の食のプロから見れば「やらかした」といってもいいレベルの行為も少なくありません。

 先に発行された『ミシュランガイド東京2020』で2年連続「二ツ星」を獲得した東京・浅草のフレンチレストラン「ナベノイズム」を営む渡辺雄一郎シェフに、『美味しんぼ』序盤の海原雄山の言動について、意見を聞きました。

 渡辺シェフが特に気になったのは、第12話「ダシの秘密で」の海原雄山の行動。フィクションであることはふまえつつも、「人としてあるまじき行為でしょう」と苦言を呈します。

【画像】振る舞いはトンデモながら、愛されるキャラ・海原雄山(5枚)

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